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見出し大学生と社会活動    (2013年6月27日)

 


 海外旅行は、名所旧跡を訪ねながらその国特有の庶民生活に触れることができれば楽しみは倍増する。北朝鮮観光は、簡単には庶民生活を体験することは難しいが、それでも、人民の暮らしぶりを垣間見ることはできる。日本と比べて一番違うのは 若者、特に大学生の生活とそれを取り巻く環境だ。

 北朝鮮では農村(集団農場)や建設現場で若者(大学生)をよく目にする。2012年、金日成主席の生誕100周年を前にした、平壌の中心部(倉田通り)で 高級マンションの建設がすすめられたが、多くの大学生が労働貢献している。

 以前、観光ガイドに「大学生は勉強に専念すべきでは?」と 尋ねたことがある。ガイドは「大学生が建設現場とか、農村現場で働くのは有益なことです」と答えた。そして、「強盛国家建設をめざす我が国では、大学生は 単なる労働力の補充ではありません。学校で習得した知識を労働現場で活用するのです。『労働新聞』は、倉田通りの住宅建設で大学生が労働現場で科学的、合理的な発想を提起して建設工事の速度と質を高めることに貢献したと報じました」と誇らしげに付け加えた。
  金日成総合大学参観の時、図書館で出会った大学生は「農村支援」を控えていた。「農村支援は義務的なものですか」と聞くと「ちがいます。非現実的な理論だけではインテリになれません。 労働現場のなかで知識を打ち固め、社会人になってからも活用できる、いわゆる『生きた知識』を体得する機会は社会活動です。自ら希望して 農村支援に出ます」。

 日本でも、東日本大震災の後、文部科学省は大学生らのボランティア活動参加の後押しを始めた。ボランティア活動で単位を認めたり、休学する場合は その間の授業料を免除したりすることなどを大学に要請している。
 勉強・研究と社会活動の融合が多くの国でも見直されている。強制があるのか否か、は分からないが、北朝鮮ではほとんどの大学生が社会活動の現場で貴重な体験をしていることは間違いあるまい。




(Asia Watch Network 小堀新之助)













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