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見出し少子化と多胎妊娠    (2013年7月3日)














平壌産院 
 日本では少子化が深刻な社会問題となっている。出生率は世界的にみても低水準である。日本社会は女性の就業継続と結婚・子育てとの両立が難しいうえ、女性の高学歴化と社会進出が進み、晩婚傾向が強まっている。
 また、男女とも未婚率は上昇する中、結婚したとしても子供は一人、という家庭が多く、それが出生率低下をまねいている。意外なことに、少子化傾向は北朝鮮でもある。国家が国民の育児、教育、医療を支える北朝鮮だが、国家財政は潤沢ではない。育児、教育、医療態勢が完璧に整っているとは言えないようで、「育児は大変」と考える若い夫婦が増えているようだ。

 「結婚しても仕事を続けるのは普通のことです」。北朝鮮で結婚と就業について尋ねると未婚、既婚にかかわらず女性は同じように答える。しかし、専業主婦という概念が殆どない北朝鮮だけに、仕事優先となると少子化は否めないようだ。
 訪朝するたびに同年代のガイドと話が盛り上がったのは「日朝子育て論議」だった。北朝鮮でも子育ては、お金と手間暇がかかる。一般論として言えば、北朝鮮の女性たちは子育てと仕事を完全に両立させているように思えるが、実情は必ずしもそうではないようだ。

 昨年末、北朝鮮のテレビで四つ子のニュースが放映された。生まれた時、体重1.4キロだった四つ子が、半年以上の入院の後、体重は5キロに成長し退院するという内容だった。北朝鮮では三つ子以上の多胎妊娠に対し、国が手厚く医療、育児で支援している。例えば、
 1.多胎妊娠(三つ子以上)の診断を受けた妊婦は住んでいる場所に関係なく、東平壌にある出産専門病院「平壌産院」で出産する。
 2.生まれた子供と両親には国からの贈り物がある。母親と女の子には金の指輪、父親と男の子には銀製の小刀がプレゼントされる。
 3.多胎児は体重が4キロになるまで、病院が育児保障する。
 4.多胎児は居住地の育児院で4歳まで国家の負担で育てられる。

 1〜3は問題ないだろう。いかにも北朝鮮的と思われるのが4だ。これは別の見方をすれば、4歳まで子供は両親と離れて育てられることになる。子供の成長に否定的な影響がでないか懸念される。しかし、北朝鮮の人々は、両親の負担軽減のための国家の福祉政策と、肯定的にとらえている。




(Asia Watch Network 村上知実)












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