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見出し「戦勝」の意味     (2013年7月27日)



板門店







休戦協定に署名する両軍代表
 今年の7月27日は朝鮮半島で銃声が止んでからちょうど60年。日本では「朝鮮戦争」と言うが、韓国では「韓国戦争」や開戦日にちなみ「6・25(ユギオ)戦争」、北朝鮮では「祖国解放戦争」と呼んでいる。
 北朝鮮では休戦協定が締結された年(1953年)から毎年この日を「戦勝記念日」と制定してきた。「休戦」でなくてどうして「戦勝」なのか、と思う。北朝鮮は、米国に勝利したということで「戦勝記念日」としているのだろう。
 しかし、北朝鮮はこれまで対米、対南(韓国)交渉で「休戦協定の破棄」という文言を使っている。今年も3月に、「休戦協定を白紙に戻す」と表明しながら、「先制核攻撃を行う権利がある」として朝鮮半島の緊張は一気に高まった。「戦勝」なのに、いまさらなぜ「休戦協定」という言い方をするのか、と思う。

 「言葉は外交の武器」であるから、その使い分けには戦略的な意味が込められているに違いない。
「戦勝の日」を控えた平壌は完全に祝日ムードに包まれているようだ。猛烈に降り注ぐ豪雨にも、この祝祭の熱気はなかなか冷めないと聞いた。ギネスブックにも記録された大マスゲームと芸術公演の「アリラン」は22日に開幕し、「戦勝60周年」が今年のテーマになっている。平壌市内中心部にある金日成広場は、色鮮やかな花束を手にした平壌市民で溢れている。祝賀行事の練習に集まる市民で、予行演習は深夜まで続いている。

 練習に余念のない一人の市民に「休戦」を「戦勝」とするのか、意地の悪い質問をぶつけた。すると、「ハリネズミがトラを負かしたという昔話を知っているなら『戦勝』の意味が分かるでしょう…」との答えが返ってきた。



(Asia Watch Network 小堀新之助)















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