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見出し羅先経済特区への期待   (2014年9月19)
日)














ラジンホテル


 北朝鮮の経済改革に対する姿勢は、このコーナーで何度か紹介してきた。8月1日には、最近の政策の一つが、社会主義企業責任制と勤労者担当責任制であることを掲載した。
 金正恩第一書記の指導体制になり、変わったと感じるのは、この一連の経済政策である。かつては、精神・思想論をからませた大衆動員で経済発展を図るものだった。しかし、米国の経済封鎖が続く中で、資材や資金が十分とはいえず、精神・思想を発揚させる経済政策はひずみを生み、成果はなかなか上がらない傾向がある。

 近年、金正恩第一書記が打出す経済政策は、精神・思想論だけでなく、グローバルに視野を広げ、海外の資金、技術導入を狙っているようだ。去年 5月、経済特区設置のための経済開発区法を制定。
10月には経済特区開発のための民間団体・朝鮮経済開発協会を発足させた。
 経済特区は言うまでもなく、外国資本を引き入れ、海外の先端技術を取り込むものだ。北朝鮮がいま熱心に開発を進めているのは、北東部の羅先(ラソン)地域である。

 ここで羅先の歴史を振り返ると、日本統治時代には、羅津(ラジン)と雄基(ウンギ)という2つの町だった。戦後はソ連、中国との貿易がわずかに賑わいをみせる地域だったようだ。
 1981年、朝鮮人民革命軍が対日戦で最初に祖国に戻った場所であることを記念して、雄基を先鋒(ソンボン)と改名。1993年になると、国連開発計画(UNDP)の主導で、この地域を北東アジアの玄関として、国際貿易地帯として開発する豆満江地域開発計画が動き出す。
 この一環で「羅津・先鋒経済貿易地帯」として羅津 - 先鋒直轄市となり、2000年8月、羅津-先鋒の地名が「羅先」に改称された。
 去年12月、羅先経済貿易地帯法の制定を発表し、朝鮮中央通信は、特区への進出企業に大きな便宜を図るものだ伝えた。特に企業の関心が高い金融面で「合法的な利潤と利子、利益配当金、賃貸料、サービス料などで得た所得を、無制限で海外に送金できる」という。羅先経済特区での企業活動を、法的、制度的に保証したようだ。羅先で投資誘致専門家として活動している経済協助局の金哲号課長は、「羅先経済貿易地帯法に銘記されるすべての条項が最大限充分に遵守されている。経済開発区に対する投資が円満に進行できる様に充分に考慮したのだ」と胸を張る。
 また、ある経済関係者は、「ミャンマーのTiwara経済特区よりも制度的には整っている。あとは日本の企業が進出できるような状況が整うかだ」と、期待と不安を打ち明けた。



(Asia Watch Network 村上知実)
















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