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見出し新年辞と南北関係         (2015年1月16日)
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新年辞の方針を貫く集会 (2015年1月6日)

 昨年(2014年)の北朝鮮は、ミサイルの連続発射やサイバー攻撃(米国は北朝鮮の行為と断定したが北朝鮮は否定)などで国際社会の耳目を集めた。しかし、ウクライナ問題や「イスラム国」の過激な動きに比べるなら、比較的、穏便な年だったと言えるかもしれない。

 では2015年、北朝鮮はどう動くのか。それを見極める大切な指針となるのが新年辞である。金正恩第一書記にとって3回目となった新年辞は、米・日・韓などのメディアや世界の研究者の関心を集めた。
 今年は朝鮮労働党創設と植民地支配からの解放、70年の節目の年である。それは南北分断70年でもある。新年辞では全体の4分の1程度を割いて、南北関係の改善を強調し、「南北首脳会談もできない理由はありません」と述べている。

 北朝鮮国民にっとっても新年辞は、1年間の国の方針を知る重要なメッセージである。会社、学校などいたるところで新年辞を周知徹底するための、大々的な学習キャンペーンが繰り広げられる。バスや地下鉄の車内はもちろんのこと、道ちを歩く人も寸暇を惜しむように本や新聞に見入っている。新年辞の学習に熱中する人が街に溢れる、これは北朝鮮の
正月風景でもある。

 1月6日は、冬の冷たい風が吹き付ける日であった。しかし、平壌市内の金日成広場は数十万の市民の熱気で覆われた。新年辞の方針を貫く決意の集会とデモがあった。南北両首脳の対話と和解を示唆する新年のメッセージは、不安定な朝鮮半島の情勢が、平和と安堵に変わる初夢を抱かせた。
 新年辞の最後は「家庭の幸福」だった。「希望に満ちた新年2015年を迎え、全国の家庭に幸福が宿ることを願います」だ。北朝鮮では「国のために頑張ろう」的な終わり方が多い。その中では、異例の締めくくりである。
 北朝鮮のこの冬は、寒い日が多いと聞く。にもかかわらず、新年の辞を学習する北朝鮮の人々から、万事うまく行くことを望む、明るい表情が伺える。
 北朝鮮は南北関係正常化に向け、今まで以上に踏み込んだメッセージを韓国側に投げかけた。






(Asia Watch Network 小堀新之助)












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