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見出し米国の経済制裁とは?        (2015年1月17日)
日)














 北朝鮮は穀物生産の向上にむけ、毎年最大限に力を注いでいる。昨年(2014年)、金正恩第一書記は、新年の辞で農業生産を最も重要な政策と示した。
 そのためか、干ばつに見舞われたものの、穀物の生産量は大きな支障を受けなかったようである。

 北朝鮮は毎週金曜日をオフィスで働く公務員の「労働日」としている。「ホワイトカラー」が労働の現場で汗を流す、いわゆる「金曜労働」である。
 1月9日、新年最初の金曜労働の日、
平壌の金日成広場に中央機関などで働く公務員、数千名が集まった。彼らは、平壌市周辺の野菜専門農場に1万3500点余りの農具や2000トン以上の堆肥を運んだ。農村への支援が、新年最初の金曜労働の「汗」であった。
 北朝鮮ではこの汗を「戦闘」と表現することがある。最初の「戦闘」が、農村支援であることから、今年も穀物生産の向上が重要課題であることが読み取れる。

 ところで、昨年は人権問題とサイバー攻撃を巡って朝・米間の対立が高まった。新年早々(2日)、オバマ大統領はソニーの米映画子会社に対するサイバー攻撃を、「 北朝鮮の仕業」と決めつけ、経済制裁を科す大統領令に署名した。
 これに対し北朝鮮は、「米国がわれわれに対する体質的な拒否感と敵対感から
抜けられないことを示している」(北朝鮮外務省報道官)と非難した。
 さらに、「制裁は、われわれを弱体化させるのではなく、先軍(軍事重視)の宝剣をより強める結果をもたらしてきたことを米国は知るべきだ」と制裁への反発を強めた。

 米国の追加制裁で北朝鮮は打撃を受けるのだろうか。金曜労働の数日前、金日成広場で新年辞を貫徹する決意集会とデモがあったが、米国の制裁で人民の団結が強まったと聞く。
 また、金曜労働で田畑に堆肥を施す公務員たちは、米国の制裁など全く関心を示さなかったと言う。
 こうなると、米国の追加制裁は、北朝鮮人民に敵愾心を強くさせ、農業生産にとっては精神的な「良い肥やし」になるようにも思える。

(Asia Watch Network 村上知実)













English version (英語版)


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