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見出し戦時偽装網の意味         (2015年2月3日)
日)

























 いま、日本は、自分たちの主張のためには人命を何とも思わない集団の酷い仕打ちに遭い、憤っている。一般的には、、自分らの主張を通すため、暴力的な破壊活動を行うことを「テロ」という。
 もちろん、何一つ罪のない、ジャーナリストの命を絶つ行為に賛同はできない。 ただ、「テロ」「テロリスト」という言葉が安易に使われることに疑問も感じる。

 米国のオバマ大統領は、ある国の指導者を馬鹿にした映画を製作した会社へ、サイバー攻撃を行ったとして、その「ある国」を「テロ支援国家」に再指定する考えを示した。指導者を侮ったことに国民が憤り、映画制作会社に抗議行動を起こすことが、「テロ支援」のレッテル貼に値するのだろうか。

 話は変わって北朝鮮。異常気象の影響か、今年の降雪量は過去の記録にないほど多い。そのため、今年は除雪車が忙しく動き回る姿が何日も見られた。
 北朝鮮では降雪量が少ないので、専用の除雪車はない。夏場は農地を耕すトラクターに除雪装置を付けたものだ。この農作用トラクターが臨時で除雪車に変身したわけである。それだけの話なら長閑(のどか)である。
 ところが、このトラクターに急遽、戦時用偽装網が張られた。 しかも、偽装網はトラクターだけでなく、トラックなど、他の車両にも張られている。これは、米国・オバマ大統領の対北朝鮮強硬姿勢が理由らしい。
 民間用運輸機材の戦闘動員準備の点検とみられるからだ。北朝鮮は朝鮮半島の緊張緩和のため、自らの核実験の中止を打出し、米韓連合軍事演習の中止を提案した。
 しかし、米韓はこの提案を「強盗の脅迫」として無視したため、北朝鮮側は自国のへの軍事演習に対抗する処置として戦闘動員準備の態勢に入ったようだ。

 北朝鮮の最高指導者・金正恩第一書記は、強引に自国の主張を言い放つのではなく、朝鮮半島の緊張緩和、民族和解へ向けた南北関係の改善のための首脳会談を、新年の辞に載せて提案した。北朝鮮の立場に立てば、「テロ支援国家」のレッテル貼りは、心外だろう。
 農耕用トラクターを改造した除雪車にも偽装網を張るようになったのは、雅量と善意を示した提案を無視する米韓側にあると思っているのに違いない。
 歴史的に怨念が深く絡む宗教的対立を基にする中東と、双方が和平を模索しながらも、前提条件を絡ませ、複雑にこじれてしまった朝鮮半島の情勢は、国際社会の関心を引く。


(Asia Watch Network 小堀新之助)













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