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見出し遠のく朝鮮半島の緊張緩和  (2015年2月16日)
日)








青少年学生の吹奏楽と行進合唱コンクール












 2015年の朝鮮半島の動向を見極める重要な指標は、北朝鮮の新年辞にあった。米・日・韓のメディアや各国の朝鮮半島研究者の注目を集めたのは、 金正恩第一書記が、4分の1程度を割いて、南北関係の改善を強調したからだ。
 韓国側にも肯定的な反応があり、緊張緩和に希望を抱いた。

 しかし、米国のオバマ大統領は、映画会社へのサイバー攻撃を北朝鮮の仕業と決めつけ、制裁を認める大統領行政命令に署名した。
 また、北朝鮮が核開発を取りやめる譲歩の姿勢を示しながら、米韓合同軍事演習「キー・リゾルブ」と「乙支フリーダムガーディアン」の中止を迫ったが、米韓はこれを一蹴した。さらに、オバマ米大統領は、北朝鮮の体制は「いずれ崩壊するだろう」と述べ、北朝鮮側の強い
反発を招いた。朝鮮半島は緊張緩和どころか、一挙に対決の構造に至ってしまった。

 米国の反北朝鮮政策に憤激した金正恩第一書記は「狂犬はもう相手にしない」と述べ、アメリカとの対決姿勢を鮮明にしている。
 朝鮮半島で対立が強まる中、北朝鮮は2月8日、新たな祝日を迎えた。朝鮮人民軍創設記念日である。北朝鮮ではこれまで、故・金日成主席が満州で抗日遊撃隊を組織したとされている4月25日を祝日・建軍節にしてきた。
 本来、朝鮮人民軍の創設は、南北に分断国家が成立する前の1948年2月8日であった。(大韓民国は1948年8月15日、朝鮮民主主義人民共和国は9月9日建国)いずれにしても、1950年から始まった朝鮮戦争で朝鮮人民軍は米軍を中心とした連合軍と正面から戦った。
 皮肉にも2月8日を祝日に制定した今年、朝鮮戦争での奮戦を思い起こし、反米精神の高まりを確認する意味が強まってしまった。平壌市内は穏やかな雰囲気よりも、緊張感が強かったと言う。金日成広場では青少年学生の吹奏楽と行進合唱コンクールが行こなわれ、まるで、対米戦争を宣したかのように力強い戦時歌謡が響きわたった。

 一方、金正恩第一書記はこの日、高速艦に搭載された艦対艦ミサイルの発射実験を現地指導した。ミサイル5発が東海(日本海)に向かって発射され、北朝鮮の怒りが放たれた感じだ。
 米国の介入でますます混迷を深める中東地域のように、朝鮮半島情勢も緊張感が高まった。3月上旬に予定されている米韓合同軍事演習は、国際社会の関心を集めるだろう。


(Asia Watch Network 小堀新之助)












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