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見出し北朝鮮の「ブラック・ジャック」 (2015年4月2日)
日)





リム・ヒョンダン医師








 美容整形手術といえば韓国が世界に誇る一つかも知れない。授かったものを「人工の美しさ」を求めて改造することに批判がある。手術の失敗や術後のケアの問題でトラブルも多くなっていると聞く。
 今回、北朝鮮から届いた整形手術の話は、美容整形ではない。しかし、若い娘さんの希望を叶えたという点では同じだろう。

 ソンミ(当時19歳)さんは8年前、化学実験中の爆発に巻き込まれ顔に火傷を負った。顔に火傷、ということでソンミさんは、強いショックを受けた。
 ソンミさんの火傷のキズを8年がかりで取り除いたのがリム・ヒョンダン医師だ。
 手塚治虫の代表作「ブラック・ジャック」は、神業ともいえるテクニックを
使う医療漫画であった。リム・ヒョンダン医師はブラック・ジャックのように娘さんの顔を蘇生させた。彼女の功績は、北朝鮮医療界の成功例のモデルケースと言われている。

 美容整形手術が盛んな韓国や欧米に比べて、北朝鮮の整形外科の歴史は短いようだ。整形手術の成功は奇跡的かも知れない。
 一般に、整形手術の費用は決して安くない。韓国の美容整形手術は安いといわれるが、それでも簡単な二重目蓋の手術でも10万円ぐらいはかかる。
 北朝鮮は原則医療費は無料だ。リム医師がソンミさんの治療に要した期間は8年間、手術は150回以上に及んだ。入院は総計で1,460日以上になったという。

 北朝鮮の社会保障システムは医療、教育費の免除だけではない。平壌市の中心部に新しく建設されたチャンジョン通りの高層住宅も家賃は無料だと聞いている。もちろん、国によって社会保障のありかたは違いがあり、どの国が良いとは単純に言い切れない。
 しかし、人権無視国家として非難を受ける北朝鮮には、日本や欧米とは違った
社会保障システムがあるのも事実だ。日本や韓国のメディアは北朝鮮の社会システムの不備な一面を強調するが、優れた面は全く伝えようとしない。
 政府間の交渉どころか市民間の理解も遠くなるばかりである。リム・ヒョンダン医師の偉業は世界に広まっても良いと思う。





(Asia Watch Network 小堀新之助)












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