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見出し老古参兵の思い        (2016年1月24日)
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リ・グァンホ氏(81歳)








リ・スンリさん    リ・ミレさん







老古参兵リ・グァンホ氏はスンリさん、ミレさん、
ヨングァン君と過ごす時間を楽しみにしている
 平壌市大同江区域に暮らすリ・グァンホ氏は、今年81歳になる。15歳の時、朝鮮戦争(1950.6.25〜1953.7.27)が勃発した。祖国を守る決意に燃えたリ・グァンホ氏は人民軍へ志願したが、年齢制限(17歳以上)の壁があった。そこで2歳年齢を詐称して人民軍入隊を果たすが、戦闘中に足を負傷、除隊となる。 
 しかし、人民軍への思いを断ち切ることができず、軍馬訓練所を次の仕事場に選び、戦争が終わるまで軍服を脱がなかった。
 戦争が終わり学べる時代が来た。「栄誉戦傷軍人設計学校」(1954.9.1〜1957.7.3)を卒業し、平壌炭鉱機械工場でデザイナーとして働く。その後はまた軍服が着たくて警察組織「保安省」に入り、26年間真面目に勤めを果たしてきた。
 国のために献身したリ・グァンホ氏、還暦を過ぎ、余生は国からの恩恵を甘受して静かに暮らす選択もできた。しかし、選んだのは孤児を引き取り育てる道だった。1996年と1997年、生まれて3ヶ月になる赤ちゃん(女児)を引き取った。「スンリ(勝利)」、「ミレ(未来)」と名づけられ、実の親以上の愛情が注がれた。
 60歳を過ぎた男が、赤ちゃんを引き取り、養育するのは並大抵の苦労ではない。しかも1990年代末は「苦難の行軍」と呼ばれた時期だ。老兵の暮らし向きも決して楽ではなかった。家族(妻と娘)が病魔に襲われる不幸も重なった。隣人たちは引き取った赤ちゃんを愛育園に送ることを勧めた。
 しかし、隣人たちの勧めとは逆に、2005年には生後3ヶ月の新たな赤ちゃん(男児)を引き取り、『ヨングァン(栄光)』と名付けて養育を始めた。
 老兵リ・グァンホ氏の精神を貫いているのは「国への貢献」だ。国からの配給食料をも節約して、200キログラムの「愛国米」も奉げた。リ・グァンホ氏の強い決意を知った隣人たちは変心を勧めるのではなく、支援することにした。それまで、孤児の引き取りには消極的だった地区の女性組織のリーダーも、積極的に支援するようになったという。
 家の本棚には金日成全集100巻と金正日選集15巻が並ぶ。その横にはリ・グァンホ氏のノートが置かれている。本や新聞からの引用、暮らしのなか気づいたメモが記されている、「老兵の宝」とも言えるものだ。そうした生活慣習は子供達にそのまま受け継がれた。子供たちは勉強にもスポーツにも秀で、道徳心も高く、学校では模範生となり、立派な社会人として老兵のもとを巣立っている。
 老兵の美徳溢れる人生は娘たちが職場を効率的に変える先駆者となるにつれ広まった。大勢のジャーナリストがマイクを突きつけるとこう打ち明ける。
 「勿論、あの子供たちは私が育てなくても国家が立派に育ててくれたでしょう。しかし、私は子供たちに親の愛情を知ってもらい、祖国を愛する人になって欲しかったのです」。


(AsiaWatch Network 小堀 新之助)














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