本文へスキップ

アジア・ウオッチ・ネットワークはアジアに幅広い取材アンテナを張ります。

アジア・ウオッチ・ネットワークAsiaWatchNetwork


見出し特別掲載 水爆実験 北朝鮮知識人の見解 / 朝鮮はなぜ水爆を保有したのか  
日)

 2016年1月6日、全世界を揺るがす出来事があった。北が水爆実験を実施したのである。朝鮮は祝日の雰囲気で沸き返り、世界の進歩的な人々は北朝鮮の快挙に拍手を送った。一方、米国を初めとする西側は北朝鮮に圧力をかけるために頭を悩ましている。北の水爆実験はなぜ人々をそんなに興奮させたのか。それはやや小さい国の朝鮮が原爆と水爆を共に保有したからである。世人は英国や中国、フランス、ロシア、米国が水爆を製造したことには驚いたり興奮したりしなかった。実を言うと、国連常任理事国はみな原水爆の保有国である。それなら、朝鮮はなぜ水爆を持ったのか。
 朝鮮民主主義人民共和国は小さい国で、領土と民族が二分されている。およそ12万㎢にしかならぬ国が原水爆を持ったので西側はびっくり仰天した。米国と西側はあらゆる悪口を浴びせながら「制裁」を加えようとする。しかし朝鮮は絶対に屈しない。朝鮮はわれわれ式に生きるという胆力と度胸で持って自分の道を歩んで行く。筆者は史家の立場からこの問題を客観的に分析してみた。朝鮮が核兵器(原爆、水爆)を保有したのは民族が歩んできた歴史に関わる。また、朝鮮半島の地政学的位置にも関係する。                朝鮮歴史学会曹喜勝会長

 5千年の朝鮮歴史を振り返ってみると、威風堂々たる高句麗時代もあれば大国に侵入されて国の自主権を蹂躙された時期もあった。特に朝鮮封建王朝の末期に亡国の悲惨な運命をたどった。国王(高宗)の父親である大院君が公開的に拉致されても抗弁の一言も言えず、他国のまっ青な武将の袁世凱が「朝鮮総督」、「朝鮮総理」と呼ばれるほど朝鮮で横暴に振舞った事実や島国の侍たちが白昼に王宮に飛び込んで国母を殺害した事件など、亡国史を語るには限りがない。
 1910年、日帝に国を奪われた朝鮮民族は喪家の犬にも劣る境遇に置かれた。当時は、民族を守ってくれる国家も軍事力もなかった。哀れな朝鮮人々は宗主国の日本へ連行され、強制労働を強いられた。関東大震災の時、殺害された朝鮮人の恨みがいまだに晴れていないのに日本は謝罪補償をも拒否している。かつて朝鮮人は日本人から「イワシが魚か、朝鮮人も人か」というふうにあらゆる蔑視と虐待を受けて来た。日本軍性奴隷(従軍慰安婦)問題もある。肉体と精神、いや青春を奪われた20万人の朝鮮女性の恨み、それは国も主権もなく、民族を守ってくれる武力がなかったのでなめた受難であった。日本人が村に現れて井戸端で水汲み少女を誘拐して集団強姦しても訴えるところがなかったのが朝鮮民族の悲しみであった。
 国が二分されて米国をはじめとする帝国主義者が朝鮮を併呑しょうと狂奔している今の状況では、国を強化するのが第一の問題である。朝鮮は自衛のために核兵器を保有するしかなかった。つまり、朝鮮の核兵器の保有は米国の強権政治がもたらした結果でもある。人々はだれでも平和に生きたがる。静かで幸せな生活を望んでいる。日帝から解放(1945.8.15.)された朝鮮はあれがほしかった。ところが米国が突然、朝鮮に攻め込んで38°線を引き、国を二分し、あれも足りなくて戦争(1950.6.25.)を起こした。1953年7月27日、停戦協定が締結された後も米軍は朝鮮で撤退せず、核恐喝を事としてきた。米国の核恐喝の歴史はきわめて長い。朝鮮戦争の時、「原爆投下」の核恐喝によって北朝鮮の住民が大勢南へ流れ込んだ。彼らは北朝鮮の政治に不満を抱いたのではなく、広島、長崎型原爆の被爆状況を熟知しており、南に向かったのである。離散家族とは、米国の原爆恐喝が招いた悲劇の所産である。その後60年間、米国はつづけて朝鮮を原爆で脅かし、恐喝してきた。実に米国の核脅威・恐喝の歴史は長く、その内容も様々である。各種の核ミサイルで北の対象物を狙って圧力をかけたり、核兵器で裝着した空母を朝鮮の東海や西海に展開して武力示威を繰り広げたり、また軍事境界線近くまで核戦略爆撃機で飛行しつつ実弾投下訓練をも続けている。

 立場を置き換えて見よう。もし北の戦艦が米国の沖合いで軍事演習を行うなら米国は辛抱できるのか。朝鮮は胆力と度胸で持って米国の強権に打ち勝った。が、どんなに胆力があると言っても、いつまでも強盗さながらの脅威と恐喝を感受することはできない。朝鮮は停戦協定を平和協定に変えることを提案したり、米軍をはじめとする外部勢力の撤退も力強く要求した。傲慢な米国は朝鮮を蔑みながら応じなかった。いかに耐えられるのか。こんなに話す人もいる。
 朝鮮も日本や韓国みたいに米国の核の傘の下に入ればどうか…。朝鮮は「米国は強盗であって紳士ではない。自分に追従しない国は必ず掃滅する」と言い返す。米国は一歩下がれば二歩譲れと強いる。これが米国の本性である。米国の核の傘に入ればすぐイラクやリビアのように滅びる。
 イラクは当初、米国と親しかった。が、米国はイラクに大量殺傷兵器があると口実をつけ、国連舞台ででっち上げたデータを持ちまわしてイラクに攻め入った。イラクは大統領官邸も、養鶏工場も全部見せた。しかし米国はあらゆるけちをつけ、イラク軍を武装解除させた。すべてを奪われて空身なったイラクは自分を守るというのが何を意味するか、米軍の占領後に覚るようになった。時遅れの後悔である。イラクの崩壊後、テロ組織が四方に広がって数百万の難民が生み出された。これは世界的難問題に発展した。だれのせいだろうか? それもそのはず、米国の責任である。
 リビアの場合もイラクと同じ。反米的だったガダピ政権は米国の脅威に怯えて、核兵器を公開した。その後、ガダピはミサイルの打撃をうけ、殺された。リビアは四分五裂され、テロの乱舞場になった。これも米国のせいである。ソ連と東欧の社会主義諸国が崩れた後、一極世界を唱えてきた米国は槍の先を朝鮮へ回した。朝鮮は米国の核脅威に核兵器実験で答えた。以降、米国は口実をつけ、朝鮮に対する圧迫を強め、「制裁」騒動を絶えまなく、エスカレート式に繰り広げた。6者会談でも米国は核兵器を放棄せよと要求した。核兵器だけ放棄すれば何でも遣るとほらを吹いた。リビアの場合と同じ。それこそ何の保証もない「公約」であった。
 朝鮮は一時、米国に譲歩したことがある。米国が核戦争演習を中止するなら核実験を止めると言った。にもかかわらず、米国は毎年、核戦争演習を繰り広げてきた。強権と専横を事とする米国をいかに信じられるか、米国の「約束」や「公約」は全部嘘であり、信じられない。これは歴史が実証した。自分なりの防御手段を持つべきであるというのは歴史の教訓である。だから朝鮮は水爆実験を実施した。それもごく小型化し、技術的に完璧なものである。米国の悪宣伝によって朝鮮の水爆実験の正当さがわい曲され易い。一部の人々は誤解もできる。そんなに小さい国が強大な米国と立ち向かって得るものは何か、さらなる被害を受けるのではないかと…。
 被害を受けることもできる。米国は国連舞台で自分の言うなりにする国々を操縦して圧力をかけたり、「制裁」を加えることもできる。「困苦欠乏に耐える」という言葉がある。朝鮮でよく耳にする。腹いっぱい食べられなくても、人間の尊厳、国の自主権を守るために国力を増進するという意味である。1960年代初、キューバの「カリブ海の危機」の時、経済建設と国防建設を並進させることの朝鮮労働党の方針が打ち出された。片手には鎌と槌を、片手には銃を取るべきというスローガンに集中的に反映された。その延長線で経済建設と核武力建設の並進路線が提示された。金日成主席は同路線を打ち出した当初、きわめて心配したそうだ。人民の苦労を思うとあまりにも胸が痛かったからである。しかし、金日成主席は困苦欠乏に耐えてでも自国を自力で守るべきという鉄の真理で経済建設と国防建設の並進路線を貫徹するようにした。それから米国の侵略策動には受動ではなく正面突破戦で立ち向かうべきの戦略・戦術を立てた。

 金日成主席の並進路線と政策は以降、金正日将軍と金正恩元帥によって受け継がれ、今日に至った。たとえ朝鮮人民は豊かで、豪華に暮らしていないけれど人間の尊厳を守りつつ堂々と生きている。イラクの美少女が幾ばくかの金のために米軍のキャムプテントに入る姿や、「従軍慰安婦」の女性らを接する度に、自主的な人間として生きるか、奴隷として生きるかという質問にぶつかる。「われわれは自主的な人間としての尊厳を守りつつ生きたい。」 これが朝鮮民族の一様な念願である。暮らし向きが豊かでなくても結構だ、二度と奴隷になるまい、黄金に目が暗んで卑屈に生きまいというのが北朝鮮の人民の気概である。
 次に北が原水爆を持ってこそ地域の平和と安定が破壊されるという詭弁について見る。一部の人々は朝鮮が核兵器を保有したので地域と世界の平和がかく乱されると思う。本当か。結論から言うと北が核兵器を保有したことにより、地域の平和と安全が保持されている。なぜか。米国は強権で気ままに戦争を起こしている。ユーゴスラビアやイラク戦争は米国が国連安保理事会に上程せず、勝手に起こしたものである。米国は核で北を打撃すると暴言を吐きながら、政権崩壊説を公然と唱えている。日本もいろいろな口実を付け、昔の「大東亜共栄圏」を実現しようと狂いたっている。安全保障関連法案だの、何だの騒ぎ立てながら平和憲法の第9条に規制された再軍備禁止の束縛から逃れた。今にも米国の突撃隊となって朝鮮に襲いかかるかも知れない。だから北が核兵器を保有するのは北のためにも、地域の平和と安定のためにも必要である。
 米国の戦争挑発策動を抑止するためにも核霊剣が必要である。そうでなければ極東の平和と安定が破壊されて数百万の難民が生み出される。あれは今日の中東難民に比べようもない。米国は北の強大な軍事力に脅えて極東における戦争を起こしていない。もし北が弱かったらウクライナやイラクみたいになる。自主性を生命と見なす北は我慢しない。これは明らかなことである。極東におげる厳しい情勢は北が核霊剣を持ってこそ、安定を増す。米国の核の棒と正義の核霊剣-あれが今日、極東の平和を保証する力量構図である。実際、米国が念仏のように唱える北の核脅威はロシアと中国を手の内に握るための策略遂行の口実にすぎない。朝鮮は米国と結んだ停戦協定を平和協定に変えることを引き続き提案した。もし、この条約が締結されたら北は水爆を作らず、北の核問題はすぐ解決されるだろう。
 しかし、米国は北の正当な要求に顔を背けた。核霊剣を保有するには、莫大な犠牲が伴った。「困苦欠乏に耐える」というのは言うは易く、行なうは難し。だが北は克服した。終わりに北の人民の胆力と度胸の源はどこにあるのかという問題である。あれは偉大な将軍の胆力と度胸に似たものである。本来、朝鮮民族は英知に富み、度胸の座った人々である。勇敢で、自尊心が強いのが朝鮮人の気質であると言える。米国に立ち向かうほどの胆力はおのずから生じるものではない。朝鮮の胆力は即ち、金日成主席と金正日将軍、それから金正恩元帥の度胸である。朝鮮人民は通常、白頭山の気概、白頭山の胆力に例えている。日帝を打ち破った抗日パルチザンの胆力は白頭山の息子である金正日将軍に継承され、今日は金正恩元帥に継がれた。それが正に北の胆力と度胸である。世界唯一の超大国と威張る米国に打ち勝つには並大抵の胆力ではできない。
 小さい国が米国に勝つためには精神的に優れて強くなければならない。指導者が偉大なので朝鮮人民も偉い。世界の人々が驚きに満ちて憧れる北の人民は卑屈でなく、自尊心も強く、地域の平和と安定を核霊剣で守る人民であり、その胆力と度胸は偉大な将軍によるものであることを2016年1月6日は水爆実験を通じて世界に誇示した。


   
                        水爆実験成功の祝賀集会と夜会 (平壌 1月6日)