本文へスキップ

アジア・ウオッチ・ネットワークはアジアに幅広い取材アンテナを張ります。

アジア・ウオッチ・ネットワークAsiaWatchNetwork


見出し孤児政策にみる北朝鮮の意志     (2016年2月15日)
日)
日)



平壌育児院・愛育園








 北朝鮮が世界に向けて発する国力誇示は核開発やロケット発射技術だけではない。核やロケットが強面の顔なら、幼児、特に孤児へのケアーは「ソフト戦略」の代表だ。

 北朝鮮を訪ねると孤児施設を参観する機会が多い。観光コースにも孤児院参観が組み込まれるほどで、孤児への保育と整った教育環境に北朝鮮当局は自信があるようだ。
 2014年10月に建てられた平壌育児院・愛育園は幼児施設の自信作だ。風光明媚な大同江の畔に建設され、子供たちの「宮殿」「天国」として、オープン当時から世界に向けて紹介されてきた。アニメの世界を彷彿させる保育室や教養室、運動室、知能ゲーム室など、生活設備だけでなく幼児が楽しむ遊戯娯楽施設が充実している。参観者たちは、「まるでアニメの中の籠宮城だ」と感想を漏らす。

 2015年新年の朝、金正恩第一書記は自ら平壌育児院・愛育園に足を運び、子供たちと一緒に新春を祝った。幼児を国の宝とする政策は国策の重要な柱であることが伺える。北朝鮮の報道では、「『お父ちゃん、』と叫びながらぶらさがる子供たちを懐に抱き、頬を温かく撫でた元帥(金正恩第一書記)はすくすくと育てよと言い、肉親の愛情を懐かしむ園児らが明るく微笑みながら元日を楽しく送る姿を見ると実にうれしいと述べた」という。

 日本の偏りがちな報道だけをみると、北朝鮮は余裕のない財源を核やロケット開発につぎ込み、国民には忍耐を強いているように思える。しかし、北朝鮮から届く情報は決してそれだけではない。
 幼児らには季節の果物や保健食品、新しい服などが優先的に届けられる。病気予防も怠りがない。園児の健康検診を毎月行い、健康管理に手抜きはない。
 今年の元日には調理師が育児院を訪ね子供たちのためにキジ肉団子、のろしか肉汁、もち、サワラ煮付けなどを特別に料理したという。
 このような幼児の「宮殿」は平壌だけでなく、遠山市や清津市にも建設が予定されている。

 水爆実験、ロケット打上げで日本や韓国は制裁強化の声が充満している。しかし、経済制裁を繰り返しても北朝鮮は屈してこなかった。「苦難の行軍」を乗越えた北朝鮮は孤児、幼児の笑い声、子供たちの笑顔があれば未来は明るいと確信している。
 制裁強化の一辺倒の、効果ない政策は対立と敵愾心を煽る。日本を含め、対朝鮮外交についてじっくり考える時期に来ているのではないだろうか。



(AsiaWatch Network 小堀 新之助)














English version (英語版)


Photo


ビデオ