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見出しロケット発射/祝賀ムードの北朝鮮にどう向き合うべきか (2016年2月29日)
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「光明星4号」の打ち上げ(朝鮮中央TVの映像)






平壌凱旋初級中学校 リ・ジンミさん


平壌蒼光高級中学校 キム・ソヨンさん




北朝鮮の子供たちと縄跳びをする外国人
 2月7日、北朝鮮は「人工衛星・光明星4号」の打ち上げに成功したと発表した。米国も発射された物体が地球を回る軌道に乗ったことを認めた。しかし、日本のメディアは「事実上の弾道ミサイル発射。国連決議に違反する」と報道した。北朝鮮のロケット発射から10日後、日本がX線天文衛星を搭載したH2Aロケットの打ち上げに成功すると、宇宙の謎の解明に役立つとの期待を滲ませる報道を流した。

 人工衛星と弾道ミサイルの違いは、極端に言えば、頭部に載せるのが衛星装置か爆発物かの違いでしかない。さらに言うならば、弾道ミサイルは大気圏を出た後、弾頭部は再び大気圏に再突入し、目標に落下する。だから、北朝鮮が発射したものを「弾道ミサイル」と決めつけるのは、北朝鮮側から見れば不愉快だろう。
 また、国連安保理は「(北朝鮮は)弾道ミサイル技術を使ういかなる発射も禁止」とした。従って今回の発射も安保理違反は明白である。が、「人工衛星打ち上げ」は本来どこの国も持つ権利だから、北朝鮮は国連安保理決議自体を受け入れていない。
 国連では米国が中心となり北朝鮮に対してこれまでにない厳しい経済制裁を検討している。しかし、北朝鮮国内は国際社会の批判など意に介していないようだ。発射の翌日は旧正月の祝日とあって祝賀ムードが盛り上がった。
 平壌の中心部にある金日成広場では子供たちが凧揚げ、縄跳びなどの民俗遊戯で休日を過ごし、だれもが人工衛星の打ち上げ成功に誇りを感じていた。 
 平壌凱旋初級中学校の2年生、リ・ジンミさん(12歳)は「今日、私は凧揚げで1位でした。私は自分のあげた凧が単に紙で作ったものではなく人工衛星だとも思いました。統一を祈る心をあの凧に込めて南朝鮮の子供たちに飛ばしたい」と話した。
 平壌蒼光高級中学校の2年生のキム・ソヨンさん(15歳)は「今年の旧正月は実に意義深いです。わが科学者たちによる水爆実験や衛星打ち上げの成功は私達の心を喜ばせてくれました。今日、友達と縄跳びをしたが、統一されたこの地で南朝鮮の子供たちと手をとって縄跳びをやりたいのが私たちの願いです」と素直に言った。
 国際社会の取り決めなど子供たちの世界では無縁だ。金日成広場には北朝鮮の子供たちと一緒になって縄跳びをする外国の子供たちの姿も見られた。

 北朝鮮にはこれまでの制裁を跳ね返してきた経験がある。新たな制裁にも怯む様子はなく、「効果的な制裁…」という発想を再考することも視野に入れる時に来ているように思える。
 北朝鮮は国家存続のため、核兵器とミサイルは手放せないと確信している。この認識を安保理決議や制裁で変えさせるのは難しいだろう。ならば、核兵器とミサイルがなくても国家存続できるということを北朝鮮とじっくり話し合い、納得させる方が得策だろう。
 北朝鮮にとってロシア、中国は国交もあるが、客観的にみれば、それができる交渉役は、米国しかないだろう。

(AsiaWatch Network 小堀新之助)














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