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見出しリオ五輪と北朝鮮                  (2016年8月23日)
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リム・ジョンシム選手(重量挙げ女子75キロ級)



リ・セグァン選手(種目別跳馬で金メダルを獲得)
 



 南米で初めて開催されたリオデジャネイロ五輪が閉幕した。「A New World(新しい世界)」を掲げたスポーツの祭典だけに、政治体制や社会の価値観や思想、宗教観で対立、敵対する双方がスポーツの祭典で融和するのかが注目された。 しかし、朝鮮半島では昨今の緊張関係の反映か、統一入場行進など夢のまた夢でしかなかった。それでも、北と南の女子体操選手が一緒にスマートフォンで写真を撮るシーンは五輪ならではの光景で、世界に発信された。

 北朝鮮のリオ五輪の成績は金・銀・銅が2、3、2だった。最初に北朝鮮に金メダルをもたらしたのは女子重量挙げ75キロ級のリム・ジョンシム選手。前回のロンドン五輪では69キロ級で優勝しているが、今回は75キロ級に階級を上げ金メダルに輝いた。
 もう一人の金メダリストは男子体操のリ・セグァン選手で、種目別の跳馬で日本の白井健三選手を退けて金メダルを獲得している。ロンドン五輪では銀メダルだったが、今回は難度の高い技で挑み2回目は彼自身の名がついた跳馬を成功させた。

 前回のロンドン五輪で北朝鮮は金メダル4個を獲得しているので今回の成績は不振だったとする評価もあるがメダル総数では増えているので、不振とは言い切れないだろう。また、五輪のメダルは国の経済事情に負うところもある。国家経済を考慮すると、今回のリオ五輪で北朝鮮は優秀な成績だったとする見方もある。ウエブサイト「Medals per Capita」(http://www.medalspercapita.com
/#medals-by-gdp:2016)によると北朝鮮はメダルウエイト16(金4、銀2、銅1で計算)を獲得し、北朝鮮のGDP・222億ドルで割るとメダル1個当たり13.8億ドル/GDP水準で、これは8位だとしている。
 ちなみに1位は銀メダル1個のグラナダ(メダルウエイト2、GDP 8.2億ドル)で 4.1億万ドル/GDP水準になる。日本は金12、銀8、銅21(メダルウエイト85、GDP 5兆8671.5億ドル)、 690.3億万ドル/GDP水準は70位となる。

 4年後の五輪は東京だ。この東京五輪開催の実現の裏には、今の日朝関係を考えると信じられないが北朝鮮の協力があった。北朝鮮とスポーツ交流を続けてきた日体大の松浪健四郎理事長は、訪朝した際に北朝鮮のトップクラスと面会、
「同じアジアの仲間のために」と招致選挙への協力を取り付けたほか、北朝鮮とつながりの深いアフリカへも東京支援を呼びかける約束を得たという。
 北朝鮮は「スポーツ強国建設」をスローガンにスポーツ振興の発展を強力に推し進めている。最近では、「平壌体育機材工場」を完成させ、39種のスポーツ用品が生産できるようになった。若い選手がより才能を延ばす環境が整ったと言える。
 各競技で対日本との試合になると通常以上の闘志を燃やすのが南北朝鮮半島の選手だ。東京五輪での戦いは激しいものになるだろう。

(AsiaWatch Network 小堀新之助)














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