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見出し特別供覧「金日成主席と日本」    118.日本社会党代表団との会見  
日)

118.日本社会党代表団との会見

 1981年3月14日、金日成主席は党中央執行委員会飛鳥田委員長を団長とする日本社会党代表団と会見した。
 「今日の日本社会党代表団との会談は重大な問題を討議する会談なので、わたしが直接参加しました。わたしは、わが国を訪問した飛鳥田委員長先生を団長とする日本社会党代表団を今一度熱烈に歓迎します。わが党が日本社会党代表団を熱烈に歓迎するのは当然なことです」。
 こう言って主席は、代表団の一人ひとりを見回して次のように語った。
 「昨日の宴会でも述べましたが、飛鳥田委員長先生と日本社会党の幹部のみなさんは、朝鮮人民のたたかいを積極的に支持声援してくれています。われわれはこれに対し感謝の念をいだいています。飛鳥田委員長先生と日本社会党の幹部は、朝鮮人民の間に広く知られています。飛鳥田委員長先生がアジアの平和を維持するため各方面にわたって努力しており、とくに朝鮮の平和統一を支持して大いに活動されていることに対し謝意を表します。………飛鳥田先生と日本社会党のみなさんが金大中(キムデジュン)救出運動を積極的に繰り広げた結果、幸いにも彼の生命は救われました。われわれは、あなたがたが現在も金大中救出運動を展開しているということを聞いて深く感動させられました」。
 このあと、金日成主席と日本社会党代表団の間には重要な問題が論議された。その時に語った主席の言葉は、朝日関係問題と国際関係問題において指針とすべき内容で貫かれていた。主席の話の内容は次のとおりである。
 「飛鳥田委員長先生の情勢分析は的確であると思います。われわれは、日本社会党が現情勢に基づいて実施している政策を支持、賛同します。現情勢に対するあなたがたの見解はわれわれの見解と一致し、現情勢に対処して日本社会党のとっている方針はわが党の闘争方針と大同小異です。あなたがたと同じように、われわれも今、日米『韓』の軍事一体化が積極的に進められていることを憂慮しています。日米『韓』の軍事一体化を実現しようとする企図は、『北からの南侵の脅威』の口実のもとに日米『韓』軍事同盟を結び、南朝鮮を永久に占領するためのアメリカ帝国主義者の陰謀であると思います。アメリカはレーガンが大統領の座についてから、この反動的な陰謀をさらに露骨におし進めています。レーガンがいかに反動的であるかは、彼が大統領就任後、南朝鮮人民があれほどまで憎悪している軍事ファッショ独裁者である全斗煥(チョンドゥファン)を、いちばん先にアメリカに招いたことにも明白にあらわれています。アメリカ帝国主義者が日米『韓』の軍事的結託をさらに強化しようとする目的は、『北からの南侵の脅威』を口実に、南朝鮮を彼らの軍事基地として掌握し続け、日本の軍事力を増強してソ連の『南下政策』を阻もうとするところにあると思います。飛鳥田委員長先生の前回のわが国訪問のときにも話したことがありますが、日米『韓』の軍事一体化を急ごうとするアメリカ帝国主義者の基本的目的は、日本の対馬と南朝鮮の鎮海(チンヘ)湾の間のソ連軍艦の通過を阻もうとするところにあります。アメリカ帝国主義者は、ソ連に反対しようというスローガンを前面にかかげることができないので、『北からの南侵の脅威』という口実をもうけて南朝鮮を占領し続けており、ソ連が日本を侵略するおそれがあるという口実のもとに、日本の軍事力を増強するよう要求しています。アメリカのこのような策動はアジアの平和を脅かし、朝鮮人民と日本人民の平和な生活を脅かすものです。われわれは、この問題についてあなたがたと完全に見解をともにしています。
 今アメリカ帝国主義者は、南朝鮮でチーム・スピリット81という軍事演習を繰り広げています。彼らは毎年、春になるとこのような軍事演習を繰り広げています。ところが、彼らが毎年繰り広げる軍事演習は、その規模がしだいに拡大しています。今年は昨年に比べ、さらに多くの兵力を南朝鮮に引き入れました。昨年より飛行機もさらに多く配備し、軍人もさらに多く引き入れました。アメリカは、毎年繰り広げる軍事演習を口実に、南朝鮮に爆弾、砲弾、弾薬、燃料油やその他の軍事装備を大量に搬入し蓄えています。彼らは、実際に軍事演習に必要なものよりさらに多くの軍事装備を南朝鮮に搬入して蓄えています。これはアメリカが今後、朝鮮で戦争を引き起こす準備を進めていることを示すものです。アメリカが南朝鮮で戦争準備を完了したあとは、彼らの傀儡、戦争狂をそそのかして戦争の火口に火をつけるおそれがあります。とくに全斗煥のような戦争狂は非常に危険な人物です。われわれは、このような事態に対して警戒心を高めなければならないというあなたがたの意見にまったく賛成であり、われわれもやはり警戒心を高めています。今日の情勢は、わが国で戦争が起こる危険が恒常的に存在していることを示しています。もちろん、われわれは『南侵』する考えをもっておらず、先に戦争をしかけることもないでしょう。もし、わが国で戦争が起これば、それは世界大戦になりかねません。われわれは朝鮮で起きた戦争のために世界大戦が起こるのを望みません。朝鮮において戦争の危険が大きくなっていることに対し両党が警戒心を高め、日本人民と朝鮮人民、アジア諸国人民を立ち上がらせ、朝鮮で戦争が起こらないようにするための運動を展開するのはきわめて重要なことです。
 今世界各国の人たちは、朝鮮の緊張した情勢からして戦争が起こりうるということと、そしてそれがただちに世界大戦に燃えひろがるということをまだよく理解していません。とくにヨーロッパ諸国の人たちがこれをよく認識していません。ただいま飛鳥田委員長先生もお話しになりましたが、日本社会党のみなさんがヨーロッパの各社会党、社会民主党を通じてその地域の人々に、朝鮮で戦争が起こる危険が恒常的にただよってい
ることを正しく認識させるため、積極的な活動を繰り広げる必要があると考えます。日本の軍事力増強に対しても憂慮せざるをえません。日本の軍事力増強に反対して展開している日本社会党のたたかいは正当であり、われわれはそれを全面的に支持します。わたしは、日本の自由民主党代表団がわが国を訪問したさい、日本が軍国主義の道に進んではならないということを幾度も話しました。日本が軍国主義の道に進めば、第三世界諸国、発展途上諸国から孤立するでしょう。人民をふるいたたせ、日本の軍事力増強に反対する日本社会党の闘争は、第三世界諸国の人民だけでなく、全世界の平和愛好人民の支持を受けるものと思います。………わが国の統一問題について話そうと思います。われわれは、第6回党大会で自主、平和統一、民族大団結の3大原則に基づいて国の統一を実現する方針を提示し、その方途として高麗(コリョ)民主連邦共和国創立の方案を示しました。われわれは今回、高麗民主連邦共和国が自主、中立、非同盟、平和愛好の国となるであろうことを明らかにしましたが、これは世界各国人民の共感を呼んでいます。世界各国の人民は、われわれの新たな祖国統一方案に対し、これこそはだれにも受け入れられる、もっとも公明正大な方案であるといっています。
 南朝鮮の民主人士も、われわれの新たな祖国統一方案を受け入れています。また、アメリカ、カナダ、西ドイツ、フランスをはじめ海外の多くの朝鮮同胞もわれわれの祖国統一方案を支持しています。日本にいる朝鮮同胞はいうまでもありません。われわれの提案した国の平和的統一のための新しい方案が広範な支持を受けているのは、非常によいことだと思います。………われわれは、北と南の平和会談の扉を閉ざしたのではありません。われわれはいつでも南朝鮮側と会談する用意ができており、会談の扉を開いています。しかし、全斗煥はわれわれとの会談の対象から除外しています。南朝鮮で全斗煥のようなファッショ分子でない他の人が『政権』の座につくなら、われわれは彼と会談を行うでしょう。われわれの主張は、南北当局者間の会談はただちに行えないとしても、北と南の各階層人士の参加する大民族会議をすみやかに開こうということです。しかし、南朝鮮側はこの要求にすぐさま応じる気配がありません。したがって、もうすこし様子を見ながら条件をととのえるべきではないかと思います。今南朝鮮は、政治的、経済的にきわめて困難な状態にあります。
 南朝鮮の経済状況は非常に険悪です。南朝鮮の経済は日本とアメリカの経済に従属しています。………先にも話したように、わが党は日本の中立、非同盟、平和をめざす日本社会党の政策を全面的に支持します。われわれはまた、あなたがたが朝鮮の統一を支持する運動を各方面にわたって繰り広げていることを満足に思っており、みなさんに謝意を表します。現在の全般的な国際情勢を分析してみると、戦争が起きる危険があるとみなすことができます。だからといって、ただちに戦争が起きると断言することもできません。アメリカではレーガンが大統領の座につきましたが、世界の人民はみな戦争に反対しており、またアメリカ自身にしても深刻な政治的・経済的困難に直面しているので、ただちに戦争を起こすことはできないでしょう。
 アメリカ当局者は今いろいろと好戦的な言辞を弄していますが、かつて朝鮮戦争とベトナム戦争で苦い教訓を得ているので、むやみにきなくさい火遊びをすることはむずかしいのではないかと思います。ただちに戦争が起こらないとしても、われわれは戦争が起きる危険があるということを前提にし、それを防止するための闘争を繰り広げるべきです。戦争が起きてからそれに反対してたたかうより、戦争が起きる前に戦争を防ぐためにたたかうのがより重要です。したがって、両党が戦争に反対し、平和をかちとるための運動をたえまなく繰り広げる必要があると考えます。わたしは、日本社会党が今年の憲法記念日を契機に平和運動をいっそう力強く繰り広げようとしているのは、非常によいことであると思い、それを積極的に支持します。………
 現在、すでにかちとった国の独立を固守するという第三世界諸国の立場は確固たるものです。しかし、それらの国が独立を固守するうえにはいろいろな問題があります。第三世界諸国がかちとった独立を固守するためには自立的民族経済を建設しなければなりませんが、それらの国はまだ自立的民族経済を建設していません。第三世界諸国の人たちは、自立的民族経済の建設において大国の援助を望んでいます。そうしながらも彼らは、大国の援助を受けると、その代価として政治的自主権を失うのではないかと心配しています。したがって、わたしは、日本政府をして自立、平等、互恵の原則で第三世界諸国に経済・技術協力を行わせようとする日本社会党の立場は正しいと思います。日本は軍国化の方向に進むのではなく、軍国化に費やす資金を非同盟諸国に提供し、それらの国が自立的民族経済を建設できるように援助すべきです。そうすれば、日本が非同盟諸国との連帯を強め、日本がなめている経済的難関を打開する有利な条件がつくられるでしょう。最近、多くの非同盟国の元首が日本を訪問しています。昨年はザンビア大統領が訪日し、近日中にタンザニア大統領の訪日が予定されています。タンザニア大統領は日本訪問後わが国も訪問します。彼がわが国を訪問するのは2度目です。非同盟諸国、発展途上諸国、困難な状態にある国ぐにはみな日本の経済援助を求めています。これは日本社会党が日本軍国主義に反対するうえできわめて有利な条件となると思います。あなたがたが、日本政府をして国の軍国化に資金を使うのでなく、発展途上諸国に経済援助を与えて日本の経済難を打開し、それらの国との友好関係も維持するようにすれば、よい結果をもたらすことができるでしょう。日本が第三世界のより多くの国と友好関係を結べばよいでしょう。あなたがたは、日本政府をして発展途上諸国に与える援助を他の列強の援助と異なった条件で行うようにするためたたかうべきです。言いかえれば、日本は列強が発展途上諸国に援助を与えて要求する条件よりゆるやかな条件を出し、それらの国を友好的に援助するようにすべきです。………
 わが国の社会主義建設の状況について簡単に触れておきましょう。現在、わが国では社会主義建設がスムーズに進められています。ちろん、社会主義建設の過程には難関も少々ありますが、それは十分克服できる難関であり、発展途上に生じる難関です。もし、われわれが速く前進せず腕をこまぬいているならば、困難な問題は生じないでしょう。われわれが速く発展しようとするので、その過程で一部困難な問題も生じるのです。人民の高い革命的熱意と積極的なたたかいによって、今後わが国の社会主義建設はさらに速く発展するでしょう。わたしはこの機会に、日本社会党がわが党第6回大会に高位級代表団を派遣してわれわれの党大会にいっそうの光をそえ、党大会の成果を祝ってくれたことに対し、飛鳥田委員長先生をはじめみなさんに感謝します。わたしが今日あなたがたにお話ししようと思った問題は、だいたい以上のとおりです。飛鳥田委員長先生をはじめみなさんが、わたしの話を注意深く聞いてくださったことに対し謝意を表します」。