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見出し特別供覧「金日成主席と日本」    124.自主的な党  
日)

124.自主的な党

 1985年5月23日、金日成主席は田辺誠書記長を団長とする日本社会党代表団と会見し、席上、次のように語った。
 「田辺誠書記長先生を団長とする日本社会党代表団のわが国訪問を熱烈に歓迎します。あなたがたがわが国に来て、天気に恵まれ、すこやかで快適な日々を送っておられるとのことでなによりです。多分、両党間の友好のために、『神様』もわれわれに恵みをたれているようです。わたしの親しい友人である石橋委員長先生がお元気だとのことで、うれしいです。石橋委員長先生がわたしの誕生日にさいして立派な贈物をことづけ、このたび貴代表団を通じてあたたかい挨拶を伝えてくださったことに感謝しています。書記長先生が帰国されましたら、わたしからの挨拶をお伝えください。わたしへの書記長先生のあたたかい親善的なお言葉に感謝します。
 われわれ両党間の関係は非常に立派なものです。わが党と日本社会党は友好的な関係を保っています。われわれは、アジアと世界の平和のために貴党と肩を組んでたたかっていることを誇りに思っています。日本社会党代表団のこのたびの訪朝は、これからもわが党と手を取り合って、アジアと世界の平和をめざす共同闘争を展開しようとする貴党の希望のあらわれだと思います。日本社会党はこれまで、わが共和国を各方面から支持し、とくに朝鮮の統一問題に深い関心を払い、祖国の統一をめざす朝鮮人民のたたかいを大いに支援してくれました。昨年、石橋委員長先生が訪朝したさいにわれわれと約束したとおり、貴党が朝鮮人民の祖国統一偉業を積極的に支持し、両党間の友好関係を発展させるためいっそう努力していることに対し、ありがたく思っています。書記長先生を団長とする日本社会党代表団のこのたびのわが国訪問は、疑う余地もなく両党間の友好関係を新たな高い段階へ発展させるのに大きく寄与するでしょう。……
 日本社会党は、われわれの3者会談提案と北南国会会談提案を積極的に支持しています。われわれが北南国会会談の開催を提案すると、真っ先に書記長先生がそれを支持する談話を発表し、貴党出身の衆議院・参議院議員は議員総会で北南国会会談提案を支持、歓迎する決定を採択し、それを連名で発表しました。わたしはこれをありがたく思っています。書記長先生が発表した談話と貴党出身国会議員が連名で発表した決定は、われわれを大いに感動させました。わたしは今後とも、日本社会党が朝鮮人民の祖国統一偉業に支持声援を寄せてくれるよう望みます。
 書記長先生が帰国して、われわれの祖国統一方案を支持するよう日本人民を呼び起こす運動をさらに強化すると述べたことに対し、謝意を表します。あなたがたは南朝鮮の『新韓民主党』代表を日本に招いて意見を交わしたいという意向を述べましたが、それは貴党がみずから決定すべき問題だと思います。われわれは、日本社会党が南朝鮮の『新韓民主党』と関係をもつことに反対しません。貴党が『新韓民主党』と関係を結び、その党が自主の道へ進むよう影響を与えれば悪くはないでしょう。今『新韓民主党』は南朝鮮社会の民主化実現のスローガンをかかげ、比較的よい傾向を示しています。しかし、この党が進歩的な党であるかどうかはしばらく静観すべきでしょう。………
 わが党が日本社会党を尊重しているのは、まさに貴党が日本の自主化、民主化のスローガンをかかげているからです。日本社会党は自主性を堅持しており、いかなる支配と従属にも反対しています。貴党が日本の民主主義とともに自主性をめざしてたたかっているのは、きわめて立派なことだと考えます。われわれは、貴党が自主的な党であるということを、日本の他の党派の人士にも公に話しています。
 数年前、わが国を訪問した日本の自由民主党の有志議員団に会ったことがあります。わたしはそのとき彼らと談話を交わしながら、日本は自主性がない、アメリカ人が風邪を引いてくしゃみをすれば日本人もいっしょにくしゃみをするが、これは自主性がないためだ、と言いました。わたしの話を聞いて代表団のある若い人が立ち上がり、日本になぜ自主性がないと言えるのかと聞くのでした。すると、代表団団長は黙って笑っているだけでした。このとき、年輩の人が立ち上がって、金日成主席のお言葉は正しい、事実日本人はアメリカ人にやたらに頭を下げているが、ここになんの自主性があるのかとやり返しました。わたしは彼らに、自由民主党も日本社会党のように自主性を守るためにたたかうのが望ましいと話しました。わたしは自由民主党の有志議員団のメンバーに、南朝鮮『政権』も自主性がないと言い、それを冠にたとえて話しました。
 わたしは、南朝鮮『政権』は、むかし朝鮮人が頭に乗せて歩いた冠のようなものだ、冠には2本の紐があるが、頭の上の冠はその紐を結ばないと乗っていず、片方の紐が切れても風にふっとんでしまう、南朝鮮『政権』の2本の紐の片方はアメリカで、片方は日本だ、現在の南朝鮮『政権』はアメリカと日本という2本の紐で維持されているが、片方の紐が切れても紐の切れた冠のようになってしまうだろう、南朝鮮『政権』を維持している日本の紐を自由民主党が断ち切ってしまえば、南朝鮮『政権』は維持できない、と言いました。すると、若い人が立ち上がり、南朝鮮『政権』を維持している日本の紐は自分たちが断ち切ることができると言いました。すると、代表団団長は、まだ南朝鮮『政権』を維持している日本の紐を断ち切るほどの力がないから完全にとはいかないが、それを緩めることはできると言いました。わたしは彼の話を聞いて、それだけでもよいことだ、南朝鮮『政権』を維持している日本の紐を緩めて風の吹きぐあいでぐらつくようにしておけば、南朝鮮人民が遠からずそれを完全に振り落としてしまうだろう、と話しました。今は南朝鮮『政権』を維持しているアメリカの紐と日本の紐がしっかり結ばれているため、それを振り落とすのは無理です。………
 今一部の人は、わが国があるときはソ連側に、またあるときは中国側に傾いていると言っていますが、われわれはそうはしていません。われわれはつねに自主性を堅持しています。中国の党とソ連の党もこのことをよく知っており、高く評価しています。われわれは自主的立場に確固と立って、中国、ソ連との関係を発展させています。書記長先生は秋に予定されている中国訪問についてわれわれに通報してくれましたが、わたしはあなたの中国訪問を支持し、その成果を願うものです。書記長先生は、日本の自由民主党の人士や経済界の人士を訪朝させるため努力すると述べましたが、ありがたく思っています。
 われわれは、自由民主党の進歩的人士と経済界の人士がわが国を訪問すれば歓迎するでしょう。朝鮮と日本は海一つ隔てた隣邦です。隣同士の朝日両国が経済関係を結んで緊密に協力し合えば、いろいろと有益でしょう。しかし、日本政府が引き続きわが国に対し非友好的な態度をとっている現状では、日本の経済界の人士がわれわれと自由に経済交流を行うことはできないだろうと思います。
 以前、われわれは日本から製鉄所設備をプラント輸入しようと、ある鉄鋼会社と連係を結んだことがあります。そのとき会社の技術者たちが製鉄所の設備納入のためわが国に出入りしたので、われわれは日本から製鉄所の設備が入るものと信じてその敷地を定め、測量もしておきました。ところが、わが共和国に製鉄所の設備を納入するのは、北朝鮮の国力を強めることになると言って、南朝鮮がそれに反対しました。結局は南朝鮮と結託している日本政府の不当な態度により、その鉄鋼会社の製鉄所設備の輸入問題は実現しませんでした。
わたしは書記長先生の意見を尊重します。今後、日本の経済界の人士とあらためて接触してみる必要はあると思います。われわれは今、第3次7カ年計画を作成しながら、フランス、オーストリア、スウェーデンなどヨーロッパ資本主義諸国から製鉄所設備などの大工場設備を輸入しようと交渉を進めています。あなたがたが積極的に働きかけ、日本政府をして非友好的な態度を捨ててわが国と経済交流をするようにさせることができれば、それは望ましいことです。どうせのことなら近隣の日本から工場設備を輸入するほうがよいと思います。………アジアのすべての国がアメリカの原子力軍艦や核兵器搭載艦の自国入港に反対するなら、アジアの平和は維持されるでしょう。………
 われわれ両党間には大きな意見の相違はなく、会談ではいつも見解の一致をみています。わたしは貴党の招請によってわが国の『労働新聞』責任主筆が訪日したさい、厚くもてなしてくれたことに対し、貴党の中央執
行委員会と石橋委員長先生、そしてあなたに謝意を表します。ご清聴を感謝します」。