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見出し特別供覧「金日成主席と日本」    41. 共同闘争と友好関係  
日)

 飛鳥田一雄横浜市長を団長とする全国革新市長会代表団は、1972年5月、朝鮮民主主義人民共和国を訪問し、14日、金日成主席の接見を受けた。主席は一行の朝鮮訪問を共和国政府と全朝鮮人民の名で熱烈に歓迎するとして、こう語った。
 「われわれは、みなさんが日本人民とともに朝日両国間の友好関係を発展させるために多くの力を注ぎ、とくに民主主義的民族権利と祖国の自主的平和統一のための在日朝鮮公民の闘争を積極的に支持、擁護し、助力しておられることをよく知っています。われわれは、このたびみなさんを親友として迎えるようになったことをたいへんうれしく思います。わたしは、みなさんが貴重な贈り物をしてくださったことにたいし、団長先生をはじめみなさんにあつく感謝します。とくに、副団長先生からは牛まで送っていただきました。わたしはこれを非常にありがたく思います。わたしは、団長先生をはじめみなさんが、わたしとわが国の人民に対する過分な称賛の言葉をくださったことに対し謝意を表します。われわれは少しもおごることなく、これからさらに仕事に励んでみなさんの期待にこたえたいと思います」。
 主席は感動にひたる一行を見回して話を続けた。
 「みなさんが提出した質問を対外文化連絡協会を通じて受け取りましたが、これについて簡単に話そうと思います。まず、国際情勢について述べましょう。国際情勢については、われわれがすでに他の機会に幾度も述べているので長く話そうとは思いません。今日、国際情勢は平和と民主主義、民族独立と社会主義をめざしてたたかう人民には有利に、帝国主義と反動層には不利に進展しています。いくつかの列強が世界を支配し、意のままに牛耳っていた時代はすでに過ぎ去りました。今は、正義と進歩のためにたたかう人民が世界を掌握して進む時代であります」。
 主席は、アメリカ帝国主義がベトナム民主共和国を封じこめ、爆撃を強化しているが、だからといってアメリカ帝国主義が勝利しているとは言えない、これは、あくまでも、滅亡にひんしたアメリカ帝国主義侵略者の最後のあがきにすぎない、アメリカ帝国主義者がいかにあがいても、ベトナム問題は必ずベトナム人民の意思に従って解決される、決してアメリカ帝国主義者の
意図どおりにはならないだろうと語り、今日、帝国主義列強の間では葛藤が激化しており、帝国主義の内部矛盾も極度に先鋭化していると指摘し、続けて、日本人民がアメリカ帝国主義に追随する佐藤政府の反動政策に反対して断固たたかっていることを実例に挙げ、日本人民がアメリカ帝国主義と佐藤反動政府に反対してたたかうのは当然であり、歴史発展の必然的な結果であると理路整然と話を進めた。
 また、アメリカ国内においても反動支配層とその戦争政策に反対する人民のたたかいは激しさを増しており、帝国主義の植民地支配を覆して民族の独立を勝ち取った新興独立諸国の隊伍は拡大している、これらの国の人民ばかりでなく、植民地従属国の人民も帝国主義に反対して勇敢にたたかっている、一言で言って、今は帝国主義列強がアジア、アフリカ、ラテンアメリカを分割し、勝手気ままに支配していた時代は過ぎ去り、人民が世界を支配する時代が到来しつつある、全般的情勢は、日を追って革命を行う人民には有利に、帝国主義と反動勢力には不利に進展している、現国際情勢は総体的にこのように評価するのが正しいと思うとした。
 主席はしばらく言葉を切った後、あなたがたは日本に居住する朝鮮公民と日本人民に何か伝えることはないかと尋ねたが、それについて簡単にお話しするとして、こう語った。
 「今在日朝鮮公民は、日本人民と団結して共同闘争を立派に行っています。在日朝鮮公民が独自に活動すべき分野もありましょうが、彼らは日本に住んでいる以上、日本人民と共同闘争を行わずには闘争で成果を収めることができません。われわれは、在日朝鮮公民が日本人民との共同闘争を立派に展開していることを非常にうれしく思っており、今後も彼らの闘争で
より大きな成果が収められるよう望んでいます。今日本では、アメリカ帝国主義に追随する反動層に反対し、日本軍国主義の復活に反対する人民と進歩的な民主人士の闘争がいっそう高まっています。日本人民のこのような闘争は、とりもなおさず朝鮮人民に対する支持となり、在日朝鮮公民に対する支持となります」。
 続けて主席は、日本では朝鮮人民に対して親善的、友好的な進歩的民主人士とわれわれの共鳴者、支持者が日増しに増大している、日本で朝鮮人民との親善をめざす「日朝友好促進議員連盟」が組織され、朝鮮との友好関係を発展させるための運動が広く展開されている、これは在日朝鮮公民の闘争に対する大きな支持であり励ましであると強調する主席の顔には微笑が浮かんでいた。主席は一言ひとことに力を入れながら話を続けた。
 「日本人民と日本の広範な民主勢力がますます成長し、その力が日を追って強まってきているので、在日朝鮮公民の闘争は決して孤立していません。在日朝鮮公民の闘争は帝国主義と反動勢力に反対する日本人民の正義の闘争と結びついています。それゆえ、日本の反動勢力が在日朝鮮公民の闘争に対してさまざまな妨害策動を行っていますが、われわれは、彼らの闘争が必ず勝利するものと確信しています。在日朝鮮公民は、今後とも日本人民との共同闘争を立派に行うことによって、民主主義的民族権利を擁護し、民族教育事業をいっそう発展させ、祖国の自主的平和統一を早めるための闘争で、より大きな成果を収めることでしょう。在日朝鮮公民と日本の広範な民主勢力が力を合わせて共同闘争を立派に行うならば、近い将来に朝鮮民主主義人民共和国と日本との国家関係も改善されるようになり、両国間の善隣関係がいっそう速やかに結ばれるものと思います。当面して両国間に人々の往来が実現されるだけでも、朝鮮人民と日本人民間の善隣関係はいっそう発展するでしょう」。
 続けて主席は、日本革新市長会代表団の訪朝は、朝鮮人民と日本人民間の親善関係をいっそう発展させる前提条件、望ましい徴候であるとし、報道によると、日本の外務省が、朝鮮が芸術団を送る用意があるなら受け入れるとしているが、これも両国間の親善関係を発展させるうえでのよい徴候だと思うと語った。そしてこのたび、総聯中央常任委員会の李季白(リゲベク)副議長を団長とする在日朝鮮人祝賀団が祖国を訪問し、日本に再入国する権利を獲得したのもやはり、朝日両国間関係の発展における大きな前進であるとして、語を継いだ。
 「朝鮮のことわざに『はじめ半分』というのがありますが、このように朝日両国間に人々の往来がはじまった以上、これからさき相互の往来と接触はいっそう多くなるでしょう。そうなれば、両国人民間の理解はいっそう深まるでしょう。したがって、両国の関係発展の前途はきわめて明るく、少しも悲観することはありません。われわれは、あなたがたが帰ってから、韓徳銖(ハンドクス)議長をはじめ総聯の幹部とすべての在日朝鮮公民にわれわれの挨拶を伝えてくれるよう望みます。そして、成田委員長と赤松副委員長をはじめ日本社会党の幹部諸氏ならびに久野忠治先生、美濃部先生、朝鮮に対して共感を示しているすべての学者、進歩的な人士とすべての日本人民に、朝鮮人民を代表して送るわたしの挨拶を伝えてくれるよう望みます。昨年わが国を訪問した『朝日新聞』編集局長の後藤先生をはじめ、わが国に共感を寄せて多くの活動を行っている日本言論界の進歩的な人士にも、わたしの挨拶を伝えてくれるよう望みます」。
 一度会った日本人を忘れず、一人ひとり名を挙げながら挨拶を送る主席の人徳に魅せられた一行を見渡して、主席は、朝日両国人民間の親善団結を強化するうえでのいくつかの問題について慎重に話を進めた。
 「あなたがたは、わが国の都市と日本の都市、とくに革新市長の活動している都市との間に姉妹都市の関係を結ぶことを提起しましたが、これは非常によいことだと思います。わが国の都市と日本の都市との間に姉妹都市の関係を結べば、朝日両国の人民は互いにもっと理解を深めることができるし、両国人民間の親善と団結を強化するうえによい結果をもたらすことができるでしょう。われわれは、わが国の都市と日本の都市の間に姉妹都市の関係を結ぼうというあなたがたの意見に全面的に賛成します。どの都市とどの都市の間に姉妹関係を結ぶかということは、対外文化連絡協会と具体的に協議して決めるのがよいでしょう。またあなたがたは、わが国と日本の地域相互間に経済交流、文化交流、技術交流を行うことを提起しましたが、これもよいことだと思います。今日本では、鉄鉱石がなくてオーストラリアや南アメリカから買ってくるそうですが、わが国には鉄鉱石が無尽蔵にあります。最近、わが国の炭鉱部門の人たちは西部地区と北部内陸地区で数十億トンの埋蔵量をもつ鉄鉱石の産地を新たに発見しました。わが国には、至る所に鉄鉱石がたくさん埋蔵されています。したがってわれわれは、わが国に豊富な鉄鉱石をいくらでも日本に売ることができます。われわれが日本から買ってこなければならないものも少なくありません。わが国では、綿がよくできないので、葦、木材、石灰石で繊維を生産しています。今後、われわれは、石油で化学繊維を生産することを計画しています。しかしわれわれはまだ、このような化学繊維工場の設備を国内で生産できません。こういう工場設備を日本から買い入れるとよいのですが、日本とはまだ貿易関係がないので、われわれはやむをえず、フランスやイギリスのような遠いところから買い入れています。水産業の部門でも交流を行うことができるのではないかということでしたが、それもできると思います。今わが国では、年間100万トン以上の水産物を生産しています。これは、わが国の人口の割合からすれば少なくない量です。しかし、われわれは水産物の加工が上手にできません。それでわれわれは、日本と水産物の加工部門でも技術交流を行うのが望ましいと思います。両国間で、農業の経験を交流しあうことができるのではないかという意見もありましたが、これは、きわめて興味ある問題です。農業部門でも両国は、互いに学ぶべき問題が少なくありません。両国の間で農業の経験を交流しあって、互いに学ぶのは悪くありません。わが国の学校と日本の学校の間でも交流ができるでしょう。わが国の学校と日本の学校の間に親善関係を結び、学生同士が互いに手紙や作品などを交換し、行き来もするのはよいことであって、悪いことではありません」。
 主席は最後に沖縄の日本返還問題について語った。
 「われわれは、この問題に対して深く研究していません。おそらく、この問題についてはわれわれよりもあなたがたのほうがもっとよく知っているものと思います。われわれは、沖縄が本当に日本人民に返還されるのかどうか疑問に思っています。アメリカ帝国主義者が沖縄に軍事基地をそのまま残し、それを侵略戦争に利用するならば、それは事実上沖縄が日本人民に返還されるのではなく、なんの意義もないことです。われわれは、アメリカ帝国主義が沖縄を日本に返還するというのは、日本人民とアジア諸国人民を欺瞞するために、佐藤とニクソンの密談で仕組まれたトリックではないかと思います。あなたがたもご承知のように、今、ニクソンは世界の人民をあざむくためにさまざまのトリックをつかっています。われわれの考えでは、沖縄の返還問題に関連しても、ニクソンと佐藤がなにかのトリックをつかっているようです。彼らがどういうトリックをつかうかは、もう少し見守る必要があるでしょう。われわれは、沖縄が真に日本人民の手にもどされるべきであり、日本人民の利益のために利用されるべきだと思います。沖縄が、アジア人同士をたたかわせるアメリカ帝国主義者の侵略的軍事基地として利用されては絶対になりません。日本の問題に関しては、日本人民のほうがよく知っているので、われわれは常に日本人民の立場と日本人民のたたかいを支持します。沖縄の返還問題に関連しても、われわれは、アメリカ帝国主義と日本反動層の欺瞞的な沖縄返還策動に反対するあなたがたの闘争を積極的に支持します」。
 主席の話は終わった。代表団一行は、在日朝鮮公民と日本の広範な民主勢力が力を合わせて共同闘争を立派に行うならば、近い将来に朝鮮と日本との国家関係も改善されるとした主席の言葉を胸深くに刻みつけた。