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見出し特別供覧 「金日成主席と日本」 5.日本共産党に送られたメッセージ  
日)

 祖国解放戦争(朝鮮戦争)が苛烈をきわめていた1950年8月30日、平壌では朝鮮労働党中央委員会政治委員会が開かれた。金日成主席はここで、日本の反動政府を厳しく断罪した。
 「以前から、朝鮮を侵略するためのアメリカ帝国主義の戦争準備に積極的に協力してきた日本の反動政府は、朝鮮戦争が勃発するやいなや戦争参与の問題を国策として打ち出し、侵略戦争に直接荷担する道に入りました」。
 朝鮮戦争勃発前夜の日本の国内は騒然としていた。1950年5月から6月にかけて日本占領米軍総司令部は、
日本のすべての労組に対して集団行進、集会、デモなど一切の民主的行動を禁止し、6月6日には、マッカーサーの指令で日本共産党の中央委員全員が公職から追放され、翌7日には、新聞綱領に反するとして日本共産党の機関紙『アカハタ』の編集者全員が同じく公職追放され、6月16日には、国内におけるあらゆる集会とデモが無期限禁止された。
 こうした状況下で、吉田首相は内閣の大改造を断行した。6月18日、ジョンソン米国防長官とブラッドリー米統合参謀本部議長がフィリピンのマニラから東京の羽田空港に飛来し、21日には、南朝鮮に足を踏み入れていた米国務長官顧問ダレスが日本に到着し、この3人とマッカーサーは東京で4者密談を行った。
 その数日前の6月17日、米本土から東京に現れたダレスは1時間半ほど休息しただけで、すぐ空路ソウルへ向かった。翌6月18日、38度線一帯を視察し、ここで「国軍」兵士たちを前にして「諸君が自分たちの気概を示すべき時はそう遠くない。共産主義者は結局、北朝鮮における支配を失うことになるだろう」(ソウル発UP 電、1950年6月19日)と述べて彼らを「激励」したダレスは、翌19日、「韓国」国会で、「アメリカは、共産主義と戦う韓国に必要なあらゆる精神的・物質的援助を与える用意がある。諸君は孤立していない。決して孤立しないだろう」とアジった。
 そして、ソウルを発つ20日には、李承晩(リ・スンマン)に手紙を送り、「わたしは、まさに幕が上がろうとしているドラマにおいて貴国が果たせる決定的な役割に非常な重要性を付与している」とし、同日、外務部長官林炳稷 (リム・ビョンジク)に送った手紙でも「わたしは、われわれが当面の困難な問題、すなわち勇気と大胆さをもって決定することを必要としている問題について、あなたと李承晩大統領と協議できる機会を得たことをこのうえなくうれしく思っている」と言明した。
 東京に戻ったダレスは、6月22日朝鮮の情勢について質問した保守派国会議員たちに「2、3日待ちなさい」と答えた。それから2、3日後と言ったのは開戦の日6月25日を念頭においてのことだった。アメリカ外交機密文書「ダレス国務長官顧問がニッツ政策企画委員長に送ったメモ」(最高機密、1950年7月20日)には、「全面戦争とその勝利者は誰かと言う見地から考えると、ドイツと日本はきわめて重要である」と記されている。

 金日成主席は、日本がアメリカに追随して朝鮮戦争に深く介入し、ありとあらゆる策謀を弄していることを正確に判断していたのである。主席は重々しい口調で語を継いだ。
 「日本の吉田反動政府は、朝鮮戦争勃発直後のこの7月初めの閣議で、アメリカ軍の軍需物資輸送を保障し、アメリカ軍に日本の通信網を提供し、軍需物資の生産・修理を保障する問題について討議し、それを積極的に実現する重大な犯罪行為を働いています。吉田反動政府は、日本の領土をそっくりアメリカ帝国主義侵略軍の軍事戦略基地に供しました。今、日本の領土はアメリカ帝国主義の朝鮮侵略戦争の攻撃基地、補給基地、修理基地として利用されています。わが国の平和な都市と農村を毎日のように爆撃しているアメリカ軍の飛行機はほとんどが日本の基地から飛来しており、前線に増強されているアメリカ帝国主義侵略軍の兵力もほかならぬ日本の基地から投入されています。日本の多くの軍需工場がアメリカ帝国主義の要求に応じて砲弾や地雷など朝鮮侵略戦争に必要な軍需物資を生産しており、日本の車両と船舶がアメリカ軍の軍需物資輸送に集中的に動員されています」。
 主席は、日本は軍事要員を朝鮮戦争に直接参加させる罪悪行為もためらうことなく働いているとして、こう述べた。
 「アメリカ帝国主義の差し金のもとに、すでに李承晩傀儡政府と軍事的に結託していた日本の反動政府は、朝鮮戦争が勃発するやいなや、旧日本軍の将兵で編成した『義勇軍』をアメリカ帝国主義侵略軍の各部隊に秘密裏に配属させて戦闘に参加させています。また、日本に居住する朝鮮人まで徴集して『義勇軍』を編成しようと策動しています。諸事実は、日本の反動支配層が朝鮮侵略戦争の直接の荷担者であり、アメリカ帝国主義の忠実な雇用者であることを示しています」。
 主席のこの断定は正確な資料と分析力に基づく結論であった。主席は語を継いだ。
 「日本の反動政府の朝鮮戦争荷担策動は内外の諸人民の強い抵抗にあっています。日本の労働者階級をはじめ広範な人民は、日本の領土を朝鮮侵略戦争のためのアメリカ軍の軍事基地に供した反動政府を糾弾するとともに、朝鮮戦争に送る軍需物資の荷積み作業を拒むなど、反動政府の朝鮮戦争荷担策動に反対するさまざまな闘争を展開しています。平和を愛する世界の人民は、日本政府の朝鮮戦争荷担策動を不法行為であると断罪し、抗議の声を高めています」。

 平和を愛する世界人民の抗議にあわてた吉田政府は、内外の世論をしずめ、日本の朝鮮戦争荷担を合理化すべく、「朝鮮戦争と日本の立場」と題する白書を発表した。白書は、アメリカ帝国主義の朝鮮侵略戦争をアジア諸国の「安全」をはかるためのものであると美化し、日本は朝鮮戦争を拱手傍観するわけにはいかないと釈明した。主席は、この白書は日本の反動支配層が朝鮮戦争の荷担者であることを自らさらけ出したものであると断じ、アメリカ帝国主義の朝鮮侵略戦争を積極的に後押しし、それに直接荷担している日本の反動支配層の策動を暴露、粉砕するための一大キャンペーンを展開すべきであると強調した。
 新聞をはじめ出版物と通信・放送を通じて、日本がアメリカ帝国主義の朝鮮侵略戦争に荷担していることは不法かつ犯罪的な策動であるということを暴露すべきであるとして、主席は語を継いだ。
 「日本について言えば、半世紀近くもわが国を侵略し、植民地統治を実施しただけでなく、太平洋戦争を挑発してアジア諸国人民に戦争の惨禍をもたらした戦犯国であり、まだその罪科も清算していない戦敗国です」。
 主席は、一連の国際協約は日本における軍国主義の復活を禁じており、戦後の日本国憲法は国権を発動する戦争と武力行使を永久に放棄し、国の交戦権を認めないとしている、 にもかかわらず、日本政府がアメリカ帝国主義の走狗として朝鮮侵略戦争に荷担したのは、国際法の見地からしても、日本国憲法の見地からしても絶対に許すことのできない犯罪行為であると断じた。
 そして、日本の反動支配層が朝鮮戦争を契機に軍国主義勢力の復活と再武装を促進しようと画策している以上、われわれは日本の支配層のこのような陰険な企図についても一つ残らず暴露し、吉田反動政府に対する内外諸人民の抗議と糾弾の声をさらに高めるようにしなければならないとして、こう強調した。
 「今、日本の広範な民主勢力は、アメリカ占領軍当局と吉田反動政府の悪辣な弾圧の中でも、反戦・平和擁護運動を積極的に展開しています。われわれは、吉田反動政府の朝鮮戦争荷担策動に反対する日本共産党を含む広範な民主勢力の闘争に積極的な支持と連帯を表明すべきです」。

 主席は、これと関連して、党中央委員会の名で日本共産党にメッセージを送るべきだとして、そこではまず、わが国の目下の軍事・政治情勢について語り、アメリカ帝国主義の侵略策動とその雇用者吉田政府の犯罪行為を暴露するとともに、日本共産党と広範な民主勢力が進めている反戦・平和擁護運動に積極的な支持と連帯を表明すべきであり、今後、わが党と日本共産党との連係を強め、外国の侵略に反対し、民族の独立と民主主義のための共同闘争を強化することと、在日朝鮮人徴集策動に反対する積極的な闘争を展開することを呼びかけるべきだと指摘した。こうして、日本共産党に送る朝鮮労働党中央委員会のメッセージが発信された。金日成主席は、苛烈な戦争の日々にも、正義と真理、平和を愛する日本の進歩的人民を固く信じて、共同闘争の強化を呼びかけたのである。