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見出し特別供覧 「金日成主席と日本」 89.日本人民ならぬアメリカの意思  80.新潟市民に挨拶を   
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89.日本人民ならぬアメリカの意思

 1976年3月28日、金日成主席は月刊誌『世界』編集長の安江良介氏に接見した。主席は、安江良介先生のわが国訪問を非常にうれしく思い、熱烈に歓迎すると前置きして、平壌であなたに会うべきだったが、ちょうど現地指導の最中で、そうすることができなかった、あなたの帰国が迫っているというので、このように遠路をわずらわすことになったと了承を求めたあと、朝鮮の統一問題をはじめ、朝鮮と日本との関係問題、その他の問題についての質問書を読み、わが国の関係者と行ったあなたの談話内容にも目を通した、あなたがわが国とわれわれの事業に深い関心を抱いていることを知ることができたとして、提起された質問に一つひとつ丁寧に答えた。
 主席は編集長の質問した朝日両国の関係に関する問題については、次のように答えた。
 「朝鮮と日本両国の関係に関する問題も、やはりアメリカとかかわりがあります。アメリカが日本から手を引いてはじめて、朝鮮と日本の関係が順調な発展を遂げることができます。現在、日本政府はすべての問題をアメリカに問い合わせて処理し、アメリカの『二つの朝鮮』路線に従って動いています。このような状況のもとでは、朝鮮と日本の関係に関する問題は解決されようがありません。日本は当然、朝鮮の統一を助ける立場に立つべきであり、隣国の朝鮮が争うことなく、平和に暮らすよう望むべきであります。今多くの日本人民はそうなることを願っていると思います。しかし日本政府は、わが国を『二つの朝鮮』に分裂させようとするアメリカ帝国主義者の路線に追随しています。日本政府がアメリカ帝国主義の戦略的方針の軌道にそって、その機関車に引かれて動いているため、朝鮮と日本の関係は改善しようにも方法がありません。われわれは日本政府がわが国に非友好的な態度をとっていることに失望していません。日本政府がわが国に非友好的なのは、日本人民の意思ではなくアメリカの意思であり、アメリカに追随している日本の少数反動層のしわざであります。したがって、われわれは日本人民を少しもとがめません。朝鮮と日本の関係改善の問題がまだ機が熟していない状況のもとで、両国間の関係改善の問題を日本政府にもちだすのは無意味なことであり、またそれをもちだす必要もないとわれわれは考えます。われわれはこれからも、日本人民との友好・団結の強化のために引き続き努力し、可能なあらゆる方法を講ずるつもりです」。
 主席は、編集長が席上改めて提起した質問に対して、簡単に答えた。
 問 主席閣下は先に、朝鮮と日本の関係に関する問題についてごく簡単に述べられましたが、わたしはその簡単なお話のなかにべてが含まれていると思います。それでもいくつかの問題についてさらにおうかがいいたします。日本政府の態度が現状のままだとすれば、いっとき伝えられた朝鮮と日本両国間の漁業協定の締結は可能性がないとみるべきでしょうか。
 答 両国政府間の漁業協定ではなく、民間の漁業協定なら可能性があると思います。もちろん民間の漁業協定にしても、日本政府がそれを保証しなくてはなりません。

 問 「松生丸」事件の後、日本政府が共和国との漁業協定の締結について言いだしたのは、わたしの考えではたいへんよいことだと思います。これについてどうお考えでしょうか。
 答 一時日本では、朝鮮と日本両国間に漁業協定が結ばれるべきだという声が高まりました。そしてわが国に漁業代表団を送るという話も出ました。これが日本政府の意図なのか、それともある民間人の意図なのかはよくわかりません。しかしいずれにしても、われわれは朝鮮人民と日本人民間の接触と往来を望んでおり、またわが国が日本と隣接していながら門戸をとざしているわけにはいかないのですから、日本政府が承認し保証するならば、朝鮮と日本の民間漁業関係の問題は可能な範囲で一部解決できると考えます。あなたとこのように久しぶりに再会して話し合えたことを非常にうれしく思います。


90.新潟市民に挨拶を

 1976年6月10日、金日成主席は川上喜一郎市長を団長とする新潟市代表団に接見した。主席は、代表団の朝鮮訪問に対し全朝鮮人民と共和国政府、主席自身の名で感謝の意を表した後、こう述べた。
 「この席を借りてわたしは、あなたがたをはじめ新潟市民が在日朝鮮公民の帰国活動を積極的に支援したことに謝意を表します。お帰りになったら新潟市民に朝鮮人民の熱烈な挨拶をお伝えください」。
 主席の親しみのこもった言葉に、代表団一同は恐縮した。代表団団長は朝鮮訪問の印象について語り、朝鮮の発展は全的に主席の賢明な指導の結果であると述べた。主席は、われわれの事業を高く評価されたあなたがたに感謝する、今後さらに奮闘してあなたがたの期待に応えるつもりであると答え、ついで朝日関係の発展問題について言及した。
 「朝日関係についていうならば、まだ国交関係は樹立されていませんが、両国人士の往来はひんぱんです。これは良いことだと思います。今後とも両国人士が相互に行き来するならば、理解も深まるでしょう。あなたがたの今回の共和国訪問は、朝日両国人民の親善強化に大きく寄与するでしょう」。
 代表団団長は、多忙な中で時間を割いて自分たちに会ってくださったとして、主席に再度感謝の意を表した。主席は礼を言い、こう述べた。
 「今日は忙しくてあなたがたとゆっくり話し合えず残念です。予定がなければ、あなたがたにわれわれの事業についてゆっくり話したかったのですが、ほんとうに申しわけありません。わたしは今日、あなたがたに会えたことをうれしく思います」。
 この日の談話は短時間のうちに終わったが、そのなかでなされた主席の挨拶には、新潟市の全市民、日本の全人民に対するあつい親善の情がこもっていた。