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観念と実利の日韓・日中関係    (2013年11月25日)

 
解体された旧朝鮮総督府


現在も中華民国総統府として使用されている
旧台湾総督府
 韓国の朴槿恵大統領の対日批判が止まらない。11月初旬の欧州歴訪中の記者会見では従軍慰安婦問題にからめ「日本が改めない限り、首脳会談をしても得るものはない」、「従軍慰安婦を巡っては問題がない、との固定観念を日本が変える必要がある」などと述べ、関係改善に否定的な考えを強調している。
 一方、韓国の裁判所は、1965年の日韓請求権・経済協力協定で解決済み、といえる戦時中の韓国人の徴用工問題について、日本企業に損害賠償を命じる判決を相次いで出した。こうした韓国内の動きと大統領の対日姿勢を重ね合わせると「韓国は『実利』よりも『観念』を先行させる国」と改めて感じる。
 韓国側の「ノー」により、両国に新政権が誕生してから首脳会談が1回も開かれないというのは異常である。この事態に日本政府の一部には「日韓関係を棚上げして、日中関係を優先すべきだ」との声も上がり始めたという。
 「観念の国」との印象を持ったのは日本からの解放50周年に当たる1995年だった。当時の金泳三大統領は、旧朝鮮総督府の建物を解体した。さまざまな歴史を刻んだ建物であり、まだまだ十分活用できたが、目障りな「負の歴史」、「日帝の残滓(ざんし)」を消去する、というわけで取り壊された。 
 対照的なのは、中国人である。同じように日本の植民地支配を受けた台湾では、旧台湾総督府を残し、現在も総統府として重用している。中国本土でも、例えば大連では、旧満鉄の施設などを活用しながら、
「歴史の文化財」として大切に保存している。そこに「役に立ち、使えるものは活用する」という中国人の「実利主義」を見る。

 日中関係に目を転じれば、政治的には緊張が続いているが、実利重視の民間交流は復活の兆しを見せている。秋になって中国の複合企業などの大手10社の首脳が訪日し、政財界の要人と面会、経済関係の強化をアピールしたという。

 従軍慰安婦問題など歴史認識にまつわる問題は重要だ。が、日韓関係全体が、その問題だけで動かない、というのは理解しかねる。さすがに日本人観光客の激減、日本からの投資の停滞などで朴大統領に柔軟な対日外交を求める声も出始めたが、それでも対日批判を繰り返す。大統領の一声でとりつく島もない韓国よりも「実利」で動きそうな日中関係改善を先行させる考えが浮上してきたのも当然だろう。










                                         







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