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ベトナムとサンマ       (2013年12月27日)

 いまベトナムで人気を集めている「食」の一つが秋刀魚(サンマ)だ。北海道・根室からはるばる冷凍サンマが運ばれ、スーパーに並ぶ。日本人だけではなく、ベトナム人の味覚にも合い好評だという。
 どうしてベトナムまでサンマが送られてきたのか。根室市は2010年に地元の経済団体や漁協などと
「根室市アジア圏輸出促進協議会」を発足させ、日本貿易振興機構(ジェトロ)北海道貿易情報センターなどの支援のもとベトナムへの冷凍サンマ輸出を始めた。輸出量は10年の6.7トンから2012年には415トン急増した。ベトナムは根室市に政府・民間の団体を派遣、交流を深め、年間1,200トンの冷凍サンマの輸入を希望している。

 ベトナム人はサンマを食べるのか、輸出業務をだれが担当するのか、互いに利益があがるのか――こうした課題をクリアーするには、ベトナム事情に詳しく、貿易業務に明るい専門家が必要だ。商社マンとして約15年、ベトナムに駐在した荒川研さん(64)がその役をになった。荒川さんは、三菱商事を定年退職後、独立行政法人「北方領土問題対策協会」の専務理事(現在、理事長)になった。北方領土に近い根室に就任のあいさつに行ったところ「町に活気がなく、夜の暗さにもショックを受けた」。市長に会い、経済活性化の手段として根室市が水揚げ日本一を誇るサンマのベトナムへの冷凍輸出を提案したという。

 荒川さんは「ベトナム都市部の市民は魚といえば淡水魚で、冷凍設備が十分でないから海の魚は普及していなかったが、そのおいしさは徐々にわかり始めていた」と説明する。10年に旧知のベトナムの計画投資大臣が来日した際、根室の焼きサンマを試食してもらい、輸出実現を働きかけたのがきっかけとなり商談成立までこぎつけた。

 いまベトナムからは、サンマのほか秋サケの頭部、中骨なども鍋料理やフライの具材で引き合いがあり、さらに根室周辺の町でつくるアイスクリームなどの乳製品も有望な輸出品という。
 日本は少子高齢化で人口は減っていく。一次産品の産地にとって販路拡大は、海外に打って出るほかない。ベトナムはじめ東南アジアは、経済成長で一般家庭にも冷凍庫つきの冷蔵庫が普及している。日本の一次産品の「輸出環境」は、整ってきた。根室の冷凍サンマの成功は、その証明でもある。


















                                         







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