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「韓流」と「日流」    (2013年5月25日)


 


「冬のソナタ」



 テレビドラマ「冬のソナタ」が火をつけた韓流ブーム。その現象が日本で起きてからちょうど10年になる。タイなど東南アジアでは、静かに先行していたアニメなど日本の大衆文化(日流)を韓流が猛追---という図式だろう。しかし、最近、日本では韓流ドラマの氾濫、質の低下、マンネリ感などで全体的に「韓流ブームは下火」との指摘もある。 また、竹島(韓国名・独島)の領有権・歴史認識問題がからんだ対立で「嫌韓・反韓感情」さえ一部でみられる。
 そうした中、シンポジウム「グローバル化の中の『韓流』『日流』―映像・文学は21世紀東アジアに
何をもたらしたのか―」(駐日韓国大使館 韓国文化院後援)が、5月中旬、東京都内で開かれた。シンポジウムは、城西国際大学が主催した。同大の「ジェンダー・女性学研究所」では、早くから韓流ブームについての研究・分析を行い、2005年には「冬のソナタ」シンポジウムを開催。その後も日韓の研究者や批評家、映像作家との研究交流を推進し、『ジェンダーで読む韓流文化の現在』、『韓国サブカルチュアと女性』を出版してきた。
 今回のシンポジウムは、この10年間、日本における韓流が、韓国と日本に何をもたらし、映像・文学は、グローバル化時代においてどのような役割を担うことができるのか、韓国、日本のドラマの中で女性たちはどのように表現されているのか。これらについて、両国の専門家が意見を交換し、東アジアの文化空間の現在をとらえる---が狙いだった。
 橋下徹・大阪市長の「従軍慰安婦発言」が政治・外交問題化している時期で、「いまさら韓流なんて」というムードもあったが、多くの韓流ファンや学生ら約160人が集まり、会場は満員だった。シンポジウムは、韓国・東西大学の南仁?・林権澤研究所所長が基調講演で始まり、そのあと、韓国・忠南大の梁銀京・教授、川村湊・法大教授、宇佐美毅・中大教授らによるパネルディスカッションが行われた。
 「韓流と日流」についての分析で興味深かったのは、梁教授の指摘だった。梁教授は「韓流が注目を集めているが、日流も相変わらず世界的に共有され、強力な力を発揮する、静かな文化的な流れだ。最近、韓国の放送局では、日本のドラマをリメークしたドラマが高視聴率を記録している。韓国の大衆音楽は、すでに戦後以降から日本音楽の影響を受けてきており、漫画とアニメ分野も日本の影響を抜きにして語ることができない。韓流と日流は、ともに大衆の普遍的で日常的な文化として位置を占めている」と指摘しながら「韓流と日流は互いに馴染みやすい。新しいアジア共同体を模索するのに主要な文化的な経験になることができる。
 そして、ニューメディア技術の発展やアジアの多くの国家は経済成長と民主化を背景に、新しい文化的な形成体・文化圏が生まれている。それを支えているのは、アジアの中間層である」と結んだ。

 経済のグローバル化の進展によって、アジアには新たな文化の連携の波が押し寄せている。静かに広まっていた日流と急激に浸透した韓流が、その軸になり、そこに「タイ流」、「ベトナム流」といった東南アジアの大衆文化が太い流れとして加わってグローバル化する日も来るに違いない。相互理解し、未来への想像力の橋をかけるためにも大衆文化の融合は重要だ。「アニメ・漫画、侮れず」である。



                                         







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