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イスラムとキューピー・マヨネーズ   (2013年7月25日)

 
  グローバル化が進み、「異文化」に接触する機会が増えた。それに伴い、「異文化摩擦」が起きるケースも目立つ。ステレオタイプの見方・偏見、相手の心を察しきれない傲慢さ、知識の欠落・不足など、それを引き起こす要因はさまざまだ。最近も「異文化」を理解、それに対応する難しさを示す出来事があった。

 マヨネーズ会社のキユーピーは、東南アジアのイスラム圏で販売する家庭用マヨネーズのシンボルマークを変えることにした。インドネシアでは、人形の背中の羽をなくす一方、全身ではなく顔と手だけを描くことにするという。従来の包装の「キユーピー人形」が天使と解釈され、偶像崇拝を禁じたイスラム教の信者が多いインドネシアで問題となる可能性があると判断したためだ。
 マレーシアでも新マークの付いた商品の販売を始めたという。同社は、2010年にマレーシアでマヨネーズの販売を開始したが、政府機関から「天使と認識される恐れがある」、「天使の絵は反イスラム」との指摘を受け、対応を検討していた。「キユーピー人形」は1925年から包装に使用している。
 社名の由来でもあるマーク変更は、イスラム圏での事業拡大のためとはいえ、会社にとって大きな決断だったといえよう。

 これまでも食品会社は「製造においてイスラム圏では豚肉を使わない」などの戒律に従ってきた。日本企業も細心の注意を払ってきたといえるが、人形の包装図柄まで「反イスラム」の指摘を受けるとは思わなかっただろう。しかし、それにもかかわらず今回、指摘を受けてからの会社側の対応・決定は早かった。イスラム社会の厳しい目を意識し、それを企業活動に照射しようと努力してきた経験が生かされた、と理解したい。

 この「マヨネーズ人形」に続き、タイの大学で卒業式用の記念撮影用の背景に使われる壁面にスーパーマンなどの絵と並んでナチス指導者ヒトラーが描かれていたことに対し、ユダヤ人人権団体が抗議した、との報道があった。大学側は「絵を描いた学生は重大性を認識していなかった」と弁明した。が、これは理由にならない。「異文化を理解する」という柔軟な姿勢は、感性・知識・想像力なくしては生まれないし、育たない。異文化摩擦のケースを掘り下げていくと、それがよく分かる。  
















                                         







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