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ファストフード       (2013年8月6日)

 ホーチミン市のケンタッキー・フライド・チキン店   ベトナム戦争が終結してから40年にもなろうとしている。ベトナムは、戦争中に支援を受けた中国と南シナ海で島々を巡る領有権問題で対立、その一方、かつての敵国・米国とは1995年に国交正常化を果たし、良好な関係の維持に腐心している。
 一見、ささいなことのようだが、その米越関係の「いま」を饒舌に語っているのが「マクドナルドのベトナム進出」のニュースだったと思う。米ファストフード大手マクドナルドが、2014年に南部ホーチミンに1号店を開設する、という話。ベトナム進出のパートナーには、グエン・タン・ズン首相の娘婿の実業家、ヘンリー・グエン氏を選んだ。少しオーバーな言い方をすれば、これはベトナム政府の「お墨付き」を意味し、米国文化の象徴のマクドナルドを官民あげて許容したということだ。このほかケンタッキー・フライド・チキンがすでに店舗を展開、2月にはスターバックスコーヒーも出店した。 
 米越国交正常化以来、ベトナム指導部は「和平演変」に神経をとがらせてきた。「和平演変」とは「資本主義勢力が軍事的手段ではなく、文化や価値観を浸透させ、社会主義国の内部崩壊を企てる」との意味である。実際には、ベトナムでは、日韓の大衆文化は大人気だ。が、資本主義の総本山ともいうべき米国製文化が広く、深く浸透し、その理念・価値観がどっと押し寄せてくるのには抵抗があったのだろう。米国に対しては「警戒」しながら「良好な関係を維持」---これが指導部の本音だった。

 「戦争を回避するマクドナルド理論」というのがある。マクドナルドの店がある国同士が戦争状態に陥った例はない、という指摘だ。価値観の共有があるからだ。また、マクドナルドの進出は、その国に一定数の中間階級が生まれた、ということを示し、そうした生活水準に達すると失われる経済的損失を考える層が厚くなり、簡単には戦争にはならないというわけだ。
 ベトナムは「2020年までに工業国入り」を目標にしている。達成のためには、米国や日本など先進主要国からの進んだ技術、資本の導入が不可欠である。文化も当然、ついてくる。いつまでも「和平演変」に
びくびくしているわけにはいかない---いまベトナム指導部はこう考えているのだろう。  
















                                         







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