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米・越関係 新時代        (2014年10月19日)


ファム・ビン・ミン副首相とジョン・ケリー国務長官


対潜哨戒機 P8-A ポセイドン
 米国とベトナムが国交正常化してから来年で20年になる。それに合わせるかのように、米国はベトナムに対する武器禁輸措置の一部解除、という「プレゼント」を贈った。ケリー国務長官がベトナムのファム・ビン・ミン副首相兼外相に会談の席で、解除を伝えたという。
 狙いは当然、南シナ海の領有権問題で中国と対立するベトナムの警備・自衛能力強化を促すためだ。

 米国はベトナム戦争(1975年に終結)後、ベトナムへの武器移転をやってこなかった。今回の政策変換は、両国関係だけではなく、中国はもとよりアジアの外交・安全保障に大きな影響を与えるだろう。
 すでに日本もベトナムに対し、船舶6隻を供与する交換公文に署名、ベトナム側は巡視船に転用するとみられる。

 ベトナムは「宿敵」だった米国と1995年になってからやっと国交を回復する。2000年には通商協定に調印。さらにブッシュ政権時代には、ベトナムに対し、
非殺傷用の防衛装備供与を許可するなど信頼関係は深まりをみせていた。
 しかし、関係が密になればなるほどベトナム首脳部にとって気がかりなことが出
てくる。「和平演変」の4文字だ。「資本主義勢力が軍事的手段ではなく、その文化や価値観を国内に浸透させ、社会主義国の内部崩壊を企てる」という意味である。
  ベトナムは「2020年までに工業国入り」を目指している。その目標達成には米国をはじめとする先進主要国の資本と技術が必要だ。そうなれば、資本主義の理念・価値観も押し寄せてくる。政治活動・言論・宗教の自由を、多くの国民が渇望するようになれば、いまの一党主導の社会主義体制維持は難しくなるかもしれない。この板挟みが続いていた。

 他国の兵器・武器の受け入れは、その国との厚い信頼関係とともに「覚悟」が必要だ。兵器には最新的な技術と情報が詰まっている。最高の工業製品でもある。それが自国に入り、今後、ノウハウ指導など人的な軍事交流も活発化する。資本主義の理念・価値観が混入してくるのは避けられない。
 当初は米国から対潜哨戒機などが入ってくる、とされているが、いずれ戦闘機といったさらに高度な兵器の導入の道も開かれるだろう。「米国の武器がいつでもべトナムに入ってくる」ということになり、中国に対するけん制効果を生む。米越関係は、「和平演変」を飛び越え、ここまで密着化した。













                                         







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