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ノーベル賞考           (2014年11月1日)



ファマララ・ユスフザイさん


カイラッシュ・サティヤルティ氏
 今年のノーベル平和賞は、アジアから選ばれた。女性や子供の教育促進を訴えるパキスタンのマララさん(17)とインドの児童人権活動家、サティヤルティさん(60)の二人だ。
 マララさんは、イスラム過激派に銃撃され、再び襲われる可能性もある中、昨年、国連で演説、「暴力には絶対に屈しない」と宣言した。世界中に強烈な印象を残し、いわば平和賞の「本命」だった。
 一方のサティヤルティさんは、地味な活動家で知名度はそれほど高くない。カシミール地方で領有権を争い衝突を繰り返す両国から選ばれたのは「平和に向けたメッセージだ」との指摘もある。

 ノーベル賞は、物理学賞、化学賞、生理学・医学賞・文学賞・平和賞・経済学賞がある。この中で「異質な賞」と呼べるものがある。マララさんらが受賞した平和賞である。物理学賞、化学賞、経済学賞、医学生理学賞、文学賞は、王立科学アカデミーなどスウェーデンにある機関が決めるが、平和賞はノルウェー・ノーベル委員会が選定する。
 ノーベル賞は、ダイナマイトの発明者として知られるアルフレッド・ノーベルの遺言に従って1901年から始まったが、その遺言によって平和賞の授与は、ノルウェーで行うことになった。当時、両国は同じ君主を仰ぐ「同君連合国家」だった。 
  もう一つの「異質」は、経済学賞である。「アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン銀行賞」とも呼ばれる。他賞よりも遅れること約70年後の1968年にスウェーデン銀行が寄託した基金で創設され、1969年に第1回の受賞者が選定された。この経緯から経済学賞については「厳密な意味でノーベル賞とはいえない」という指摘もある。
 一口に「ノーベル賞」と言っても、このように色々なエピソードがあり興味深いが、この賞がスタートしたのは、20世紀が始まった年であり、日本は明治時代。日露戦争は、その3年後に始まる。
 この時期に北欧の国が科学技術の進歩、平和の理念、文学の意義について考え、国際的な賞を設定したのだ。20世紀が生み出した最高の権威と栄誉ある賞だといえよう。
 今回、天野浩・名古屋大教授ら3氏の物理学賞受賞が決まった。韓国の新聞は「日本科学の底力を示すもの」と称賛した。韓国は元大統領の金大中氏が平和賞を受賞したのみで、隣国の日本が受賞するといつもうらやましそうだ。物理学賞などのノーベル賞が欲しくて仕方がないのだ。「世界のどの文化圏にも絶対的価値として通用する『普遍言語』である」(中公新書「ノーベル賞」)という矢野暢氏の指摘に納得がいく。












                                         







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