本文へスキップ

アジア・ウオッチ・ネットワークはアジアに幅広取材アンテナを張ります。

アジア・ウオッチ・ネットワークAsiaWatchNetwork


メニュー亜細亜 飛耳長目

「異」への偏見           (2014年11月12日)





IATのホームページ
https://implicit.harvard.edu/implicit/japan/
 社会心理学で開発された「潜在的連合テスト・ Implicit Association Test (IAT)」というのがある。人間が社会的な対象に関して無意識に持つ態度を測定するテストである。世界銀行の管理職研修でそれが行われた時の話を紹介したい。

 二人が一組になって絵を1枚ずつ持って研修生の前に登場する。絵を掲げた最初の人が登場し、あっという間に退場し、もう1枚の絵を掲げた次の人が出てきて、またあっと言う間に退場する方式だ。
 研修生は、その2枚の絵を見て「いい」
と感じた方を選び、用紙に記入する。今度は次の組の絵2枚のうち1枚を同じように選ぶ。これを繰り返し行うテストである。       


 結果の発表……。紹介された絵がすべて並んだところで、うめくようなどよめきが起きたという。2枚1組の絵は、実は2枚とも同じ絵だった。だれ一人、それを認知しないで、それぞれ「好みの絵」を選んでいたのである。
 絵そのものではなく、絵を掲げた人を見て選んでいたのである。研修生の大半が、同じ絵なのに女性より男性が掲げた絵を選び、アジア・アフリカ系の有色人種より白人が掲げた絵を選んでいた。      
  これは、元世界銀行副総裁の西水美恵子氏が、新聞のコラムで触れたエピソードである。世界銀行は、ほぼ全世界の加盟国の働いている多民族組織である。このインテリ集団でも女性と有色人種に対する偏見が無意識の中に潜んでいたことが分かったわけだ。偏見によりイメージが独り歩きするのは怖い。

 例えば、北朝鮮についてだ。テレビ、新聞、週刊誌の報道など日本のメディアは「孤立した国・北朝鮮」とよく指摘する。しかし、その「孤立ぶり」について実際はどうなのか。国交樹立国を基準にしてみると、日本は193カ国と国交を持っている。韓国は188カ国。
 では「北朝鮮は、どのくらいの数の国と国交を樹立しているか」と聞くと、正確な数を挙げる人が非常に少ないことに驚く。正解は162カ国。北朝鮮と国交がない主要国は、米国・日本・フランス程度、アジアでは、韓国を除いて国交を持っていないのは、日本ぐらい、というのが現実だ。

 「○○国は親日的、反日的」というレッテル張りも要注意だ。政府間の関係が良くなくてもほかの分野で交流・相互理解が進んでいるケースも多い。異民族、異文化など「異」に接する時は、レッテルや「偏見」という二文字に気をつけた方がいい。












                                         







English version (英語版)



Photo


ビデオ











アジア・ウオッチ・ネットワークAsia Watch Network

Bangkok, Thailand