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ASEAN 2014年の課題    (2014年1月21日)










アセアン本部(ジャカルタ)
  日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)は、2013年、交流開始から40年を迎えた。この節目の年に、安倍晋三首相はASEAN加盟の全10カ国を訪問し、ASEAN外交重視の姿勢を示してきた。
 そのASEANは15年末を目標に、経済統合する共同体を構築する計画である。人口6億人の大市場が登場する。第二次大戦後の東南アジアを振り返れば、こうしたいまのASEANの状況は夢のようだ。

 かつてインドシナでは、ベトナム戦争があり、南北分断の中、米国が介入、戦争は1960年から15年間に及んだ。さらに中越戦争やカンボジア内戦へと戦乱は続いた。そうした不幸の歴史の象徴がカンボジアでの住民虐殺だろう。それをもたらした張本人のポル・ポト元首相が死んだのは、1998年である。ほんの15年ほど前だ。
 この間、ベトナムは、改革・開放路線を進め、経済成長の軌道に乗った。カンボジアは、民主国家として
生まれ変わり、消費ブームに沸く。ミャンマーは、民主化路線を歩み始め、今年初めてASEANの議長国を務める。10年前、20年前には考えられなかった、ASEANの変身ぶりである。

 しかし、新たな混乱、不安もある。例えばタイ。民主化推進のお手本とも言われたこの国の政治的混乱は
目を覆うばかりだ。タクシン元首相派と反タクシン派との間の対立は、とどまるところを知らない。バンコクでは街頭デモが首都機能をマヒさせた。その攻防は暴力を誘発し、手投げ弾まで投げ込まれ、市街戦の様相さえ見せてきた。また、南シナ海では、中国はベトナムやフィリピンと領有権を争い、対立は先鋭化している。紛争防止のための国際的ルール作りが求められているが、容易ではない。

 かつてこの地域が紛争に明け暮れた時、当時のタイのチャチャイ首相は「インドシナを戦場から市場へ」と呼びかけた。戦争・紛争をやめ経済を重視し共に繁栄の道を歩もうという意味である。
 そのタイは、戦乱が続いた周辺国が安定を確保・維持しているのに対し、首都が「政治の戦場化」している。皮肉なものである。いまこそASEANは、チャチャイ氏の言葉をかみしめ、内政・外交努力を重ねていかなければなるまい。









                                         







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