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フン・セン首相とサムレンシー氏    (2014年2月9日)



カンボジア救国党 サムレンシー党首
(写真:CAM photo agency)


フン・セン首相

  カンボジアのフン・セン首相は、東南アジアではまれにみる長期政権を続けている。インドネシアのスハルト政権に肩を並べる長さだ。1985年、首相に選出されて以来、王室のラナリット殿下らとの激しい「政争」を勝ち抜きながら、政権基盤を盤石にした。まだ62歳である。その安定政権下のカンボジア社会で、「異変」が起きている。

 今年初め首都プノンペン郊外で、賃上げ要求デモを行っていた縫製工場労働者らに向けて警官隊が発砲し、少なくとも3人が死亡する事件が起きた。衝突の起きた地区では昨年末から、数千人の労働者らが縫製工場に続く道路を封鎖して賃上げストライキを行っている。一連の衝突、制圧で僧侶らも逮捕された。

カンボジア当局は、デモは「反政府色」を強めているとし、その背後に野党指導者がいると断定、裁判所は、カンボジア救国党(CNRP)のサムレンシー党首らに対して召喚状を発行したという。
 これに対し、野党は首相退陣を要求する一方、昨年7月の総選挙は「不正選挙」と主張している。

 サムレンシー氏-----。久しぶりに政治の表舞台に出てきた感じだ。同氏は、高校を卒業後、パリに留学し、政治・経済を学び、カンボジアに帰国する1992年まで銀行員などをつとめた。この実務経験が買われ、ラナリット氏の側近になった。財政経済相として財政改革や汚職追放に取り組んだが、やり方が急激で更迭された。
 2004年には、政局の転換を図ろうとしたが、結局、「フン・セン ラナリット連合」に押しつぶされた。しかし、今回、政権長期化による「飽き」と「不公平感」が社会に漂い、軍出身のフン・セン氏と対極にある学究肌のサムレンシー氏に期待が高まった、といえよう。

 国民は変化を望んでいる。大河メコンはプノンペンでトンレサップ川と合流する。雨季で増水したメコンの水はトンレサップ川を逆流し、上流のトンレサップ湖に貯水される。乾季には、水は再びメコンに流れ込む。洪水と干ばつを防ぐ見事な「調整弁」である。
 しかし、最近、トンレサップ湖の湖底に土砂の堆積、「調整弁」の役割を果たせなくなってきた。カンボジア政局も同じ。サムレンシーは「調整弁」を目指しているのだろう。







                                         







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