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統一と「テバク」       (2014年4月25日)

ドレスデン工科大学で演説する
朴槿恵大統領(3月28日)

 安倍晋三首相と朴槿恵大統領との初の日韓首脳会談は、オバマ米大統領が仲介する形で実現したが、懸案の歴史認識問題には触れず、ただの顔合わせに終わったようだ。従軍慰安婦などの問題で「日本に譲歩しない」という朴大統領の姿勢がにじみ出ていた。こうしたニュースに接していると、韓国の「反日」ばかりが目につくが、実は朴大統領が最重要課題としているのは、北朝鮮との統一であることはあまり知られていない。

 朝鮮戦争で生き別れた離散家族の再会を突破口に関係改善を進め、統一への環境整備を図る、という政策の推進である。南北間の経済格差などから、韓国では「統一には巨額な費用がかかる」というデメリットが強調されてきた。
その中で朴大統領は「統一はテバク(大当たり)だ」つまり「統一は、”はずれ”ではなく”大当たり”のくじ」と強調し、統一コストの負担で苦しむのではなく「韓国経済が大飛躍する好機だ」と説明する。統一が実現すれば、周辺地域にも投資が集中するなど日本も含めた北東アジアの成長動力になるとしている。

 統一は、北朝鮮にとっても悲願である。北朝鮮は、1970年代に入り、南北対話に応じる一方で、「北朝鮮の民主基地を強化しながら南朝鮮(韓国)革命を実現、国際革命力量の団結」という「三大革命力量論」を打ち出した。この北朝鮮の「革命→南北統一論」の支えになったと言えるのが、ベトナムである。

 1975年4月、サイゴン(現ホーチミン市)陥落の直前に訪中した金日成・国家主席(当時)は、中国の首脳部に「もし敵(韓国)が無謀に戦争を起こすならば、侵略者を徹底的に消滅するでしょう。この戦争でわれわれが失うものは軍事分界線(南北朝鮮間の軍事境界線)であり、得るものは祖国の統一」と語っている。
 社会主義の北が武力により資本主義の南を統一したベトナムを念頭に入れた発言である。それから40年。東アジア、朝鮮半島情勢は様変りした。経済難の北朝鮮に対し、朴大統領は3月、訪問先のドイツで統一の基盤作りに向けた「3大提案」を発表した。離散家族再会の定例化と乳幼児などへの栄養支援・農畜産業など民生インフラ整備支援・南北住民間の交流拡大---が柱となっている。国際社会で飛躍する韓国の優位さと余裕も示す、「テバク」を支える基本的政策だ。
 しかし、北朝鮮は、「ドイツの統一は西が東を飲み込んだ」とし、「(朴大統領は)国外勢力と結託し
北朝鮮を飲み込もうとたくらんでいる」と、否定的である。












         


                                







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