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ビザ緩和           (2014年5月5日)







  日本政府は昨年7月、タイ、マレーシアから日本への観光客に対する査証(ビザ)を免除した。それに続き、ベトナム、フィリピン、インドネシアに関しても免除の方針だ。2020年の東京五輪開催に向け外国人旅行者の大幅増を目指しており、ビザ発給要件の緩和は「観光立国実現に向けた行動計画」の一つだ。

 こうしたビザ緩和のニュースに触れるたびに、15年ほど前のタイ人の留学生のことを思い出してしまう。
当時、新聞社のバンコク特派員だった。首都圏の私立大学で教べんをとる知り合いの大学教授から「タイからの留学生が卒業式にバンコク近郊に住む母親を呼ぼうとしたが、ビザが出ない。早くしないと卒業式に間に合わない」という電話がかかってきた。当時、東南アジアから日本に観光に来る人々に対し、ビザ発給要件は厳しかった。とくに女性に対しては、「ビザの壁」は高かった。
 記憶するところでは、往復の航空機チケットの保持、一定以上の貯金の証明などが求められていた。結局、わたしが「保証人」となり、要件クリアーに助力した。娘の卒業式に参席したあと帰国した母親は「娘の晴れ姿を見て感激した」とオフィッスにお礼に来た。当時の東南アジア、とくにタイは、アジア通貨危機に見舞われ、日本観光どころではなかった。受け入れる日本側も東南アジアからの旅行者を観光収入源として当てにしておらず、特に女性の訪日は「歓楽街での不当就労が目的」との意識があったように思う。

 いまはどうか。日本の観光局によると、2013年のアジアからの観光客は、韓国が246万人、台湾が221万人、中国が131万人。それに香港の75万人が続く。昨年7月にビザが緩和されたタイからは、45万人、マレーシアが18万人の計63万人と前年比61%という大幅増だ。ベトナム、フィリピン、インドネシアは、2013年にそれぞれ8万人、11万人、14万人が訪日しているが、ビザが緩和されば、訪日観光客が増加するのは間違いあるまい。

 「当てにしていなかった」存在が、いまでは「観光立国」を目指す日本として欠かせない有力な収入源になったわけだ。韓国と中国をはじめとする中華圏の観光客のほかにも多民族、多宗教、多言語の東南アジア諸国からの来訪者が増えれば、観光収入だけではなく、異文化理解への良い刺激にもなる。「いろいろな民族が行きかう日本」を実現させたいものだ。














                                         







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