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モディ政権      (2014年8月1日)



ナレンドラ・モディ氏
「世界最大の民主主義国家」といわれるインドで、約8億人の有権者による総選挙が行われ、10年ぶりに政権が交代した。ナレンドラ・モディ氏が率いる最大野党「インド人民党」が大勝、モディ政権が発足したのだ。モディ氏は、西部・グジャラート州の州政府首相として企業誘致を進め、経済発展を実現した実績が評価された。言いかえれば「インド全土が巨大なグジャラート州になることを有権者が求めた」ということだろう。

 グジャラート州といえば、2002年に起きた列車放火事件を思い出す。ヒンドゥー、イスラムの両教徒の深刻な対立が引き起こした事件だ。ヒンドゥー教徒が乗った電車が同州でイスラム教の暴徒に襲われた。これに反発したヒンドゥー教徒が各地でイスラム教徒の居住地を襲い、約1000人を虐殺する事件が起きた。当時、勤務していたバンコクから、被害が多かった同州の最大都市であるアメーダバードに飛び、残虐の現場を取材した。
 同州は「ドライステート」と呼ばれる禁酒の州であり、アルコールを提供する店もほとんどない。
買うには特別な許可がいる。犬猿の仲のパキスタンと隣接し、イスラム教徒が多く、列車事件に象徴されるような宗教対立が懸念されている地域だ。安心して企業が進出・操業するような場所には思えなかった。
 あれから10年余り、この辺境の州のトップが経済実績を前面に出しながら、巨大な国家のリーダーに選ばれるとはだれが予想しただろうか。21世紀になり、情報化時代が確立されるにつれ、インドの存在は重みを増してきたことは周知の通り。「インド人の頭」がアジアをはじめ国際的に評価される時代が到来したのだ。ソフトウェアの開発などその能力は相当なもので、インド人の頭脳が、世界にIT人材を供給し、支える大きな柱になっている。
 それを求めて進出する日系企業も増え続けている。IT(情報技術)分野をはじめとする経済協力、人的交流など、実績のあるモディ首相の登場でさらに期待は高まるだろう。

 それは東南アジア諸国にとっても同じだ。ただ心配な点もある。モディ氏はヒンズー教至上主義団体の出身で、イスラム教徒に対する、あの虐殺事件を州政府首相として防げなかったことへの批判がある。宗教対立の激化、パキスタンとの関係悪化を指摘する声もある。さらに膨大な貧困層の削減など取り組むべき課題は山積している。 


















                                         







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