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ASEAN-ARF会議は2国間外交の場か  (2014年8月20日)






韓国・尹炳世外相(左)と岸田外相
 東南アジア諸国連合(ASEAN)の一連の外相会議がミャンマーの首都ネピドーで開かれた。緊要の問題である一部加盟国と中国が領有を争う南シナ海問題については、「緊張が高まった最近の情勢を引き続き深刻に懸念している」という文言を入れた共同声明が出された。
 南沙諸島で中国と対立するフィリピンが「緊張を高める可能性のある行動の凍結」を含む「3段階の行動計画」を新提案したが、声明は「留意する」と触れただけだった。親中国派のカンボジアやラオスを通じ、中国が巻き返した結果である。
 今回の一連の会議は、このように中国との南シナ海をめぐる外交綱引きと米中の確執が
目立ったといえる。これを反映するかのように、日本の主要紙は「中国 見せつけた存在感 比の攻勢はね返す」といった「綱引き」をめぐる記事が多く、「2015年に予定している経済共同体発足に向けた努力を加速することで合意」などASEAN自体の課題に触れた記事は目立たなかった。

 一方、日本外交にとってなによりも最大の課題は、冷え切った日中・日韓関係が打開できるか、その外相会談が実現し、首脳会談の道が切り開けるか、であった。結局、岸田外相は中国の王毅外相と会談。日中の外相会談は両国の現政権発足後初めてだった。
 岸田氏は11月に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の際に安倍晋三首相と習近平国家主席との首脳会談が実現するよう協力を要請したとみられる。
 また、韓国の 尹炳世外相とも会談。中韓とも安倍首相の歴史認識を改めて提起するなど警戒感は強かったが、外相会談が開かれたこと自体に意味がある。日本側の意向を外相レベルできちっと伝えたことは関係改善の一歩になるだろう。

 こうしてASEAN関連会議をみていくと「域内の問題を話し合い、解決をはかる場」という本来の趣旨よりも、「会議に集まる域外国の外交の場」という色彩が強いのに驚く。日本は最初から本番のASEAN関連会議よりも中韓や北朝鮮との個別会談に的を絞っていたように思えてならない。
 当然、メディアの関心もそこに集まる。その結果、日本から外相と同行してきた政治部記者や北京、ソウルから来た記者が書く二国間会談の記事ばかりが大きく載る。ASEANにとっても、地域をカバーする特派員にとっても「ひさしを貸して母屋を取られる」という感じがする。

 近隣主要国による外交の「場所貸し」になるのも結構だが、ASEANの核心テーマについても討議を広め、深めてほしいものだ。














                                         







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