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後継者(カンボジア)        (2015年11月12日)



フン・セン首相


フン・マニー 国民議会議員
 南シナ海の島嶼部の領有権問題や自由航行をめぐる米中確執のニュースに隠れて目立たないが、カンボジアのフン・セン首相の「後継」が取りざたされてきた。
 ポル・ポト政権下の恐怖政治による後遺症や社会混乱をどうにか収め、長期的な政治安定をもたらしたフン・セン首相の手腕については、さまざまな指摘がなされてきたが、評価するべき点は多いと思う。
 フン・セン氏は、1970年、ロン・ノル政権に対抗するポル・ポト派が率いる軍の指揮官として従軍したが、1977年、ポル・ポト派を離脱しベトナムに亡命した。
ベトナム軍がカンボジアに侵攻し、1979年、プノンペンが陥落。ヘン・サムリン政権が発足し、外相として、インドシナ和平交渉において重要な役割を果たした。

 それからは、最高権力の座に向かってトントン拍子に進み、1985年、首相に選出された。巧みな政治手腕でシアヌーク殿下の息子のノロドム・ラナリット殿下らの「政敵」を追い落とした。ヘン・サムリン政権以来の長老、チア・シム議長らも亡くなり、権力基盤はさらに固まった、のがカンボジアの現状である。
 まだ、首相は64歳の若さだ。少なくとも今後10年は、安定政権が続くとみられる。その中での後継者問題。注目を集めているのはフン・セン首相の息子(三男)、フン・マニー氏(33)である。米国、フランス、オーストラリアでの留学経験がある国際派で、弱冠32歳で国民議会議員に当選した。2010年 まで父であるフン・セン首相のもとで働き、「帝王学」を身につけたという。
  これまでフン・セン首相は、公式の場で「後継」について言及したことはない。2013年の選挙で与党は、22議席を減らし、敗北した。しかし、次期選挙は、2018年で、まだ時間的余裕がある。チア・シム氏の死去により、首相のポストに加え、与党の議長職まで手に入れたフン・セン氏は、いまが後継者を内々に選び、育てる絶好の機会、と踏んだのだろう。
 カンボジアでは、首都プノンペンを中心に、中国をはじめとする外国からの援助・投資による都市開発が進められている。その開発ブームの中で、フン・セン一族に見られるように、実力ある古参議員の二世が、続々と政界入りするか、それを狙っている、との話だ。
 地縁・血縁で権力基盤を強固にする「ネポティズム(縁故主義)」の兆しが感じられる。それが都市開発・外資導入などをめぐる利権と結び付くようになれば、かつてのインドネシアのスハルト時代のような
「ネポティズム汚職」になる危険性が高まる。


                                                                      







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