本文へスキップ

アジア・ウオッチ・ネットワークはアジアに幅広取材アンテナを張ります。

アジア・ウオッチ・ネットワークAsiaWatchNetwork


メニュー亜細亜 飛耳長目

交通渋滞               (2015年2月25日)




ジャカルタ市内の渋滞





バンコク市内の渋滞



バンコク市内を走るスカイトレイン(BTS)
 途上国・新興国が高度経済成長を遂げる。その際、豊かさとともにさまざまな軋轢も生まれる。国が肥えると、その首都はあらゆる面で膨脹する。所得が増えれば、中間層が厚くなる。レジャーに通勤にマイカーを購入するようになる。人口の都市集中が重なり交通渋滞を引き起こす。膨張が生む典型的な現象である。

 新聞報道によると、いま交通渋滞の最も深刻な都市はインドネシアのジャカルタという。英国の車両用潤滑油メーカーが、各国78都市で交通渋滞を調べた結果によるものだ。調査は、各都市で使われる車が1年間に平均で何回、停止と始動を繰り返したかを算出したとし、渋滞の深刻度の目安とした。
 調査によると、
ジャカルタは333,240回で最多。次いでトルコ・イスタンブール32,520回、3位はメキシコ市30,840回――という結果だった。

 ジャカルタと同じような渋滞の深刻さを各地で経験してきた。1990年代初頭に韓国に5年間滞在したが、「漢江の奇跡」と言われた経済成長を実現させたこの国の首都ソウルは、マイカーで埋まった。
 朝夕のラッシュ時は、車が動かない。雪の降った夜半、道路の凍結もあり金浦空港からソウル市中心部までタクシーで5時間もかかったことがある。
 空いていれば1時間もあれば到着できる距離だ。このころ「ソウルの渋滞と大気汚染は最悪」言われていた。
 これを救ったのが、皮肉にもアジア通貨危機だった。韓国も経済がどん底となり、車が激減した。当時、韓国メディアは「歴代政権が手をこまねいていた交通渋滞を一気に解決した」と伝えたのを覚えている。この間、ソウル周辺は鉄道・道路・橋・信号システムの整備が進み、渋滞も徐々に緩和されたようだ。

 そしてタイのバンコク。1998年に赴任したが、その交通渋滞はすさまじかった。深夜までアユタヤ近郊の工場で働いた日本人駐在員が、大雨による大渋滞に巻き込まれ、バンコク市内の自宅に着いたのは翌日早朝で、シャワーを浴びてそのまま会社にUターン――こういう話よく聞いた。
 こうした渋滞を緩和したのは、スカイトレインと地下鉄だった。いま、その効果も薄れているようだが。

 この2都市に比べてもジャカルタの渋滞は深刻だ。大気汚染への悪影響だけではなく、原材料や製品の輸送の遅れや航空機の搭乗時間に遅れる、というのがひんぱんに起きている。人口1,000万人のジャカルタの自動車登録台数は、2000年の105万台から、2013年には300万台と3倍に増加している。
 ジョコ新大統領も「住民の大規模な輸送のため、交通機関の整備に力を入れたい」と言明。渋滞緩和の抜本的対策はもう待ったなしの状態だ。
 












                                         







English version (英語版)



Photo


ビデオ











Asia Watch Network

Bangkok, Thailand