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ラストライフ in Vietnam       (2015年3月11日)

 「ラストライフをベトナムで」(仮題)という映画の制作が進んでいる。ベトナムの首都ハノイで、認知症の高齢の母親を介護してきた日本人女性、小松みゆきさんが、2人の暮らしぶりを描いた著書「越後のBaちゃんベトナムへ行く」が、日越両国の合作で映画化・公開されることになったのだ。

 実は、小松さんは、わたしが1998年から4年間、日本の新聞社の特派員としてバンコクを拠点に、ベトナムなどインドシナをカバーしていた際、現地取材などで通訳をしていただいた方である。1992年に日本語教師としてベトナムに渡った。2001年に新潟県内に住む母親をハノイに迎え、その介護生活の様子などをつづったのが、この本だ。

 映画は、主演に松坂慶子さん、監督は大森一樹さんで、ベトナム側からは、有名監督のダン・タット・ビンさんらが参加。文化庁の「国際共同製作映画支援事業」にも採択された。ベトナムで一生懸命に働く小松さんに接してきただけに、著書の映画化を喜びたい。

 報道によると、主演の松坂さんは、記者会見などで「ハノイは人間らしくいられる街だなと感じる。小松さんとお母さんを幸せに暮らせるようにしてくれたベトナムの良さを感じた」と話している。
 「老後を東南アジアで過ごしたい」という日本人が増えているが、「マレーシアやタイで、という話はよく聞くが、ベトナムで老後を暮らすとは。社会主義国の首都が、松坂さんの言うように『住みやすいのか』」と思われる方も多いと思う。
 しかし、ベトナム社会の中に立ち入ると、その疑問も氷解すると思う。ベトナム社会の特徴に「識字率の高さ」と「長寿」がある。識字率は90%に近く、周辺国に比べても極めて高い。
 また「長寿」については、世界保健機関(WHO)によると、ベトナムの平均寿命は75歳。日本やシンガポールなどに比べるとランクが下がるが、中国とほぼ肩を並べる水準だ(2013年統計)。
 これについて専門家は「ベトナム社会には“長上尊敬”の気風が残り、年寄りを大切にする習慣が残っている。例えば、政治の分野では“老人支配”と言われるほど老人の力が強い。日常生活でも老人たちは手厚い扱いを受けている。老人になっても生き甲斐が失われない社会である」と指摘する。

 食生活もコメと野菜・魚の料理が多く、健康食だ。ベトナム料理は、日本人の舌にも合う。中国、朝鮮半島、日本とともにベトナムは、「儒教文化圏」にくくられることが多いが、そうした文化の近さが、「日本人の老後」にふさわしいのだろう。
 映画は「人間らしくいられる街・ハノイ」を紹介しながら日本人の老後の暮らし方にヒントを与えてくれそうだ。












                                         







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