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民主化と少数民族           (2015年4月21日)



アウン・ミン大統領府付大臣(ミャンマー)


アウン・ミン大統領府付大臣の記者会見
 ミャンマーは多数派のビルマ族を含め135もの民族で構成する多民族国家だ。英国は植民地支配の際、少数民族を優遇した分割統治を行ってきた。その影響で、少数民族は、ビルマ族が支配層となった独立後の体制に反発・抵抗を繰り返し、ミャンマー政府は少数民族武装組織との戦いを続けてきた。
 そして今回、2年がかりの和平交渉の結果、3月末に16組織の武装勢力との間で「全土停戦協定案」の合意にこぎつけた。

 その少数民族問題を担当するアウン・ミン大統領府相が、4月16日、東京の「フォーリンプレスセンター」で内外記者との会見に応じた。日本、中国、フランス、シンガポール、英国の記者らが出席した。ミン氏は、停戦協定案合意までの日本政府や会見に同席した笹川陽平・ミャンマー国民和解担当日本政府代表からの支援に謝意を示した。
 会見では「いまの状況では、『合意』といっても恒久的和平にはほど遠いのでは」との質問に対し、ミン氏は「わたしが担当してから和平交渉により戦闘を90%減らした。ミャンマー国軍は和平を望んでいる」としながら「難民や武装勢力の帰還を実現させ、雇用創出などで日本政府に支援をいただきたい」と訴えていた

 言力ある閣僚だけに、少数民族問題以外にもミャンマー国会のあり方といった重要問題にも質問が飛んだ。
 いま、ミャンマーでは、軍人優位を規定する憲法の改正論議が続いている。国会定数の4分の1は国軍総司令官が指名する軍人議員が占める中、憲法を改正するには4分の3超の賛成が必要で、国軍が事実上の拒否権を握っている。

 「国軍関係者が多くの議席を占めているのは、民主化と逆行するのでは」の質問に対し、ミン氏は「われわれはインドネシアをモデルにしている。徐々に軍人の議席は減っていくだろう。インドネシアでは、その削減に20年間、かかった」とかわした。

 この記者会見に、わたしも同席した。ミン氏は自信ありげに受け応えしていたが、物腰は柔らかく、丁寧で、分かりやすかった。
 かつて民主勢力を弾圧してきた軍事政権時代は、欧米諸国などの国際援助もままならない状況が続いた。国際社会から非難の声が上がるたびに、東南アジア諸国連合(ASEAN)は、困惑し、ミャンマーがASEANのメンバーになっていること自体が「加盟国全体の利益を損なう」との姿勢が感じられた。ASEANの会議に出席するミャンマー代表も、なにか後ろめたさを感じさせ、おどおどし、孤立感があるように見えた。

 こうした軍事政権時代の閣僚とミン氏とは明らかに違った。ミン氏の姿には、民主化へ舵をとった祖国・ミャンマーに対する「誇り」が漂っていた。













                                         







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