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シルクロード経済圏         (2015年5月8日)




第1回 アジア・アフリカ会議(1955年4月)








 バンドン会議首脳会議が、4月22日、インドネシアで開かれた。安倍晋三首相ら各国の首脳級約30人が出席した。バンドン会議は、1955年4月に開かれたアジア・アフリカの29か国による会議で、民族解放、国際連帯の運動に寄与した。
 今回は、その60周年を記念して開かれたもので、発展を実現しつつある途上国が、遅れ気味な途上国を支援する「南南協力」などがテーマとなった。

 会議では、ホストのインドネシアのジョコ大統領とともに「主役」となったのは、
アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立を主導する中国の習近平国家主席だった。「中国はいかなる政治的条件も付けずに援助する」と訴えた。習主席は、AIIBや400億ドル規模の「シルクロード基金」についても触れ、経済大国としての存在感を示した。

 AIIBは習主席が2013年に打ち出した「一帯一路」構想の流れをくむ。海と陸の「シルクロード経済圏」の建設である。「中華の夢」とも言えるが、その構想を聞き、まず頭に浮かぶのは、鄭和である。
 明の時代に大航海を指揮した武将だ。雲南省出身で、西方から来たイスラム教徒をルーツに持つ「色目人」といわれている。
「色目人」とは中国在住の外国人のことである。

 この大航海・南海遠征は7回にわたり行われ、ベトナムなど南シナ海・東南アジア、インドをはじめペルシア湾、アラビア湾からアフリカ東岸まで艦隊を進めた。戦闘を目的とした艦隊ではなく、儀礼的、外交的色彩を帯びた交易事業だったが、明の巨大なエネルギーを背景に各地の紛争を調停するなど政治的な動きも見られた。

 それから600年以上経つ。今回の「一帯一路」は、海路は南シナ海からマラッカ海峡、インド洋、ケニア、スエズ運河を通り、欧州に入る。陸路は中央アジアからイラン、トルコ、ロシアを介し欧州と結ぶネットワークを構築する構想だ。海路は、まさに鄭和の大航海を彷彿させるものだ。

 構想はすでに動き出している。中国は、中東からの石油をミャンマーのベンガル湾の港からパイプラインで雲南省に運ぶ。さらにパキスタン、スリランカ、バングラデッシュの港湾設備の建設や維持に協力・支援している。ベンガル湾からアフリカ東部までをつながるシーレーン沿いに拠点をつくろうとしている。鄭和の時代の「海洋精神」がここに蘇るかのようだ。
 しかし、この構想は、他国には「海洋の現行秩序に挑戦」にも映る。東シナ海や南シナ海でのトラブルが、各地で起きないとはいえない。













                                         







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