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ジャパン・アズ・ナンバーワン    (2015年6月22日)





講演する エズラ・F・ヴォーゲル氏
 日本でベストセラーになった「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の著者で米ハーバード大学名誉教授のエズラ・F・ヴォーゲルさんの講演会が6月13日、埼玉県坂戸市の城西大学で開かれた。
 「東アジア:これからの50年」がテーマで、学生、教職員だけではなく、東京・霞が関の省庁関係者やメディアが集まり、同氏に対する関心の高さを示した。

 ヴォーゲル氏は、1958年にハーバード大学で博士号を取得後、日本語と日本の家族関係の研究のために来日して2年間滞在し、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を1979年に発表した。最近では「現代中国の父 ケ小平」も話題となり、知っている方も多いと思う。

 しかし、多くのメディアが講演会に集まったのは、これだけではない。日本にとって「時の人」なのだ。
 安倍晋三首相は、今夏に「戦後70年談話」を発表する。これに関連して欧米や日本の研究者が従軍慰安婦問題など「過去の清算」を日本政府に促した声明を出した。
その代表的な人物の一人がヴォーゲル氏である。この姿勢を「中国・韓国寄り」と
指摘する声もあるが、あくまでも戦後日本の歩みを評価した上で、過去の過ちを率直に認めるよう求めているわけだ。

 この講演会とそのあとに行われたレセプションに参加したが、同氏が客観的な公正で多角的な「目」を持った研究者であることが感じられた。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」は、やがて迎える日本経済の絶頂期に合わせるように発刊されたが、「『ジャパン・イズ・ナンバーワン』でないところがミソだ。のちに、この本のタイトルは、経済が一番大きいという意味ではない。日本は義務教育の水準や長寿であることなど多くの点で"世界一"で、米国は学ぶべきところがある、という意味だった」と語っており、日本礼賛というより米国への警鐘の書だった。

 これを誤解したのか、日本は舞い上がり、「バブル崩壊」→「失われた20年」に向かう。同氏は「この本が日本に悪い影響を与えたのかもしれない」と再三、述べるようになった。いまさらながら「あの時、冷静になって日本の現状・未来をみつめていたら」と思う。

 講演会でヴォーゲル氏は、東アジアを展望するポイントとして「経済成長の拡大」「環境問題の悪化」「国際交流の拡大」を挙げ、経済成長を遂げ近隣諸国と摩擦を起こしている中国に対しては「低姿勢の外交政策を取るべきだ」と提言。
 また、日本については、韓国を念頭に「隣の国と仲良くするためにもう少し我慢する必要がある。国の代表は思いやりと責任感を」と結んだ。東アジア通の重い提言である。













                                         







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