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スービック海軍基地          (2015年9月30日)




ベニグノ・アキノ大統領


スービック海軍基地(1990年)
 来年5月、フィリピン大統領選挙が行われる。ベニグノ・アキノ現大統領は、2010年に就任して以来、経済政策に力を入れてきた。「2010年以降の平均成長率が6.2%と過去40年で最も高い水準だった。2014年には国外からの直接投資が62億米ドルと就任時の6倍増になった」(今年7月の施政方針演説)という成果を残した。

 フィリピンは、かつてタイ、シンガポールなど東南アジア諸国が発展する中、経済の低迷が続き、取り残された存在だった。それがいまでは、その経済の順調さが俄然、注目されるようになった。アキノ大統領の手腕によるところ大、である。
 しかし、フィリピンの大統領は、過去の独裁的長期政権に対する反省もあり、再選が禁じられている。アキノ大統領は、後継候補にマヌエル・ロハス内務・自治相を指名した。そのほかにもジェジョマル・ビナイ副大統領や国民の人気が高いグレース・ポー上院議員などの名が挙がっている。

 大統領選は経済政策や貧困対策をめぐり、戦いが繰り広げられそうだが、もう一つ、大きな課題は、南シナ海における安全保障問題への取り組みだろう。
 中国が、南沙諸島での埋め立てや施設建設を進めているのはご存知の通り。中国側は軍事利用の目的を認め、南シナ海で領有権を争うフィリピンなどが危機感を強めているのが実情だ。そこで「航行の自由」を掲げ、中国の海洋進出に警鐘を鳴らす米国が頼みの綱となる。
 今年になって米国は、中国の強行姿勢に対応するため、戦闘機と数隻のフリゲート艦を、スービック地域に再配備すると発表している。スービックといえば、米海軍の基地があったところである。1947年に米・比は1991年までスービック海軍基地の使用を規定した軍事基地協定を調印した。
 東アジアにおける米国の重要な軍事拠点となり、ベトナム戦争時は出撃地の1つであった。米軍は、スービック海軍基地について10年間の使用期限延長を望んだが、比上院が拒絶し、基地は1991年11月に返還された。この結果、軍事的抑止力を失い、その「空白」を狙うように進出してきたのが中国に他ならない。

 南シナ海は原子力潜水艦の展開可能な水深があり、中国による軍事拠点化が進めば、米国にとってもこの地域での「覇権」を揺るがしかねない状況になる。比大統領選は、1年半ほど先のことだが、国内のテレビ・新聞などのメディアの関心は高く、実質的に始まっていると言っても良い。大統領選挙と南シナ海での「パワーの角逐」に目を離せない。 







                                         







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