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鉄道計画              (2016年11月3日)



日本の円借款で整備が進むジャカルタ
都市高速鉄道システム(MRT)南北線
 中国が行っているインドネシアの高速鉄道建設計画が停滞している。両国の国有企業が出資する「インドネシア中国高速鉄道」(KCIC)が主体となって、2019年の運行開始を目指して急ピッチで工事を進める予定だった。
 昨秋、中国が破格の建設条件を掲示し、日本との受注競争を制したのは記憶に新しい。

 ジャワ島の首都ジャカルタからバンドン間約140キロの高速鉄道建設計画。しかし、受注から1年経つのに、用地買収が難航し、売買交渉にこぎ着けた場所は少なく、資金調達面でも不安だらけ。
 中国側は、インドネシア側の資金や許認可の態勢を不安視し、融資が思うようにいっていないのだ。双方が疑心暗鬼にな
っている状態だろう。
 報道によると、インドネシアでは、「そもそも中国に発注したのが最大のミス」、「課題・難問山積で、計画がストップする可能性すらある」と指摘する声が出ているという。
 東南アジアの鉄道建設をめぐっては中国には「過去」がある。2004年、フィリピンの首都マニラとクラークを結ぶ鉄道建設を始めた。だが、工事は大幅に遅れ、2007年に完成するはずが、2012年に延期されたが進展はなく事業は全面凍結となった。

 一方の日本。このマニラークラーク間鉄道もフィリピン政府は日本に支援を要請し、現在建設が進められているという。また、インドネシアでも、円借款を供与、日本の建設会社が工事を担当している、ジャカルタの地下鉄工事は2014年に始まり、2019年の開業に向けて着々と進み、世界最悪とも言われる交通渋滞の解消に向け、期待を集めている。結局は、「最後の頼みは日本」ということか。

 日本には、東南アジア諸国に対して政府開発援助(ODA)の実績と経験がある。ODAは、発展途上国の経済・福祉の向上のための援助や出資のことだが、日本のODAの実績は、1970年代、1980年代を通じて増加し、1989年には米国をしのぎ「世界最大の援助国」になった。しかし、2001年に米国に抜かれて2位、2006年には英国にも抜かれ3位、そして2007年には、独、仏にも抜かれ、5位へとランクを下げたが、これまで数十年間、この地域で積み重ねてきた実績は、評価されてよい。
 貧困の削減・持続的成長などを指針に、経済・社会の多様性、援助需要の変化など相手国の事情に配慮しながら技術力を駆使するやり方は信頼されてきた。

 「独自開発」をうたう中国の高速鉄道だが、実際には独や日本の技術を取り入れたもので、整備コストは先進国製より3割程度安い、といわれる。それに対抗するのは、「安全」、「信頼」、「技術」である。援助関係者は、身をもって感じているはずだ。












                                         







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