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ベトナム共産党大会          (2016年2月10日)



グエン・フー・チョン書記長
 ベトナム共産党の党大会は、5年に一度開かれるビッグイベントである。第9回党大会(2001年)を取材したことがあるが、次期指導者にだれが正式に選ばれるのか――内外から熱い視線が注がれていたのを思い出す。
 この大会では、ノン・ドゥック・マイン氏が書記長に選出され、党内序列第1位となった。歴代の書記長が主要民族のキン(京)族であったのに対し、初の少数民族タイー族の出身だった。マインの母である女性は、ベトナム独立の父であるホー・チ・ミンが地方に滞在していたときの世話役で、マイン氏はホー・チ・ミンとこの女性の間に生まれた子供、という噂が流れていた。
 記者会見で、マイン氏が「ベトナム人は皆ホー・チ・ミンの子供です」と当意即妙に質問をかわしていたのを思い出す。
 あれから15年後の今回の党大会。最高指導者のグエン・フー・チョン書記長の留任を決め、書記長就任が有力視されていたグエン・タン・ズン首相は引退することになった。経済を重視し、環太平洋経済連携協定(TPP)参加を決めるなど改革をリードしてきたズン氏に対して、保守派からの反発も強かったとみられる。 
 ズン氏の引退で、ベトナムの改革のスピードが低下する懸念もあるが、今回の人事で注目するのは、チャン・ダイ・クアン公安相の国家主席就任が確実になったことだ。クアン公安相は、もっぱら公安・警察畑を歩んできた。公安省の治安総局長、次官を歴任し、党関係でも中央委員、政治局委員と昇格した。公安畑を歩んできたクアン氏が、国全体のかじ取りを任される国家主席へ就任するのは、異例の人事である。
 こうしたクアン氏の経歴から日本とは縁がなさそうに見えるが、意外と日本とは浅からぬ関係にある。クアン公安相はハノイや日本で日本の警察庁や外務省関係者らとたびたび会見している。ベトナム公安省と日本の警察庁はこれまで、国境を越える犯罪やハイテクを駆使した犯罪への対策、交通安全、要人警護、相手国民の保護などさまざまな分野での協力を維持、推進してきた。クアン公安相は、今後も国際犯罪や国境を越える犯罪を阻止し、治安の安定に貢献するため協力していくよう希望しているという。

 保守派で「親中国」といわれる最高指導者のグエン・フー・チョン書記長。公安・警察を通して日本社会をよく知るクアン氏。新コンビを核とした新指導体制は、ぶつかりながらも「知恵」を絞り出し、ベトナムが得意な局面に応じたバランス外交を進めていくだろう。
 












                                         







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