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北朝鮮の障害者福祉政策       (2016年3月19日)




蒼光園ヘルスセンター室内プールで泳ぐ金英賢さん
 「北朝鮮身障者」でインターネット検索をすると、こんなQ&Aが出てくる。
<質問>北朝鮮では聴覚障害者はいるのでしょうか?…北朝鮮では聴覚障害者の人口がゼロだというのは本当なんでしょうか?
<回答1>…障害者にまともな対応をしないというのは、北朝鮮の経済や統治体制も原因でしょうが、朝鮮では南北とも、文化的に障害者福祉の意識がまだまだ薄いのではないかと思われます。…
<回答2>…共産国家(旧ソ連など)では、身体障害者はその存在自体が「犯罪者」とされました。おそらく北朝鮮も身障者を「犯罪者」扱いでしょう…。
 この回答を寄せた人は、何を根拠にしたのか…、悪意に満ちた偽情報や報道を信じ込んでいるのかと勘繰ってしまう。今回は最近届いたある障害者の話を掲載する。

 13歳の金英賢さんは6年前、7歳の時に事故に遭って右足を失った。事故現場の近くには鉄道省病院があり、そこで、大腿部を切断する大手術を受けた。1ヵ月後には退院できたが両親は娘の今後の治療や将来の生活に悲観してばかりいた。
 しかし、杞憂に終わったという。退院した後も、担当医師が一週間に一回は自宅を訪れ無償で診察を続けた。柳城初級中学校に進むと一般の子供達と同じように学ぶ環境が提供され、平壌市には障害者センターがあった。
 金英賢さんは水遊びが大好きだった。3歳になると母がプールに連れて行ってくれ水泳選手になる夢を抱いたが、事故で夢の実現は諦めていたという。ところが3年前、母と一緒に蒼光園(チャングャンウォン)へ遊びに行き、水泳選手の姿を見て、彼女の心に水泳をする意欲が沸きおこった。
 その後、蒼光園に通う回数が増え、再び水泳を習い始めた。金英賢さんの懸命に泳ぐ姿が朝鮮障害者保護連盟中央委員会の人の眼にとまり、彼女を選手として育てることを決め、朝鮮障害者スポーツ協会の水泳クラブに入れた。
 最初は水泳を学ぶのは大変難しかった。コーチらは水泳のコツ、基礎動作を分かりやすく教え、フィジカルトレーニングや柔軟性訓練、水中訓練を繰り返した。その結果、泳力は見違えるほど向上し、3000メートルも泳ぐことが出来るようになった。金英賢さんは全国学校別水泳競技と海洋水泳競技でそれぞれ優勝する栄誉にも輝いた。

 彼女は今、午前中は柳城初級中学校で勉強し、午後は金日成総合大学の竜南山体育団でトレーニングに励んでいる。コーチらが金英賢さんに教えるのは水泳だけでない。ギター演奏の楽しさも教え、心身発達のバランスを考えている。家族のような愛情を彼女に注いでいる。
 これが北朝鮮の障害者福祉の一面である。













                                         







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