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合同軍事演習             (2016年3月23日)



「コブラ・ゴールド16」の開会式(1月19日/タイ)
 米国と韓国は、合同軍事演習を実施中である。そのうち、韓国南部の浦項一帯で行われた上陸作戦、内陸への進撃訓練の模様をメディアに公開した。米韓をはじめ、豪州、ニュージーランドから約1万9000人が参加し、これまでで最大規模だという。
 演習は、3月初旬から4月末まで続くが、ハイライトは、この浦項での上陸作戦である。水陸両用の装甲車に乗った米韓の海兵隊員が、艦砲射撃の支援を受け、海岸に上陸。海岸線からさらに内陸に入った地点での落下傘部隊の降下訓練も行われた。

 当然のように、北朝鮮側は「首都・平壌への進撃を狙った訓練だ」と強く反発した。朝鮮人民軍総参謀部は「(今回の)訓練に投入された敵集団に対する先制的な報復攻撃作戦の遂行へと移行する」と警告した。
 金正恩第1書記は「近いうちに核実験と弾道ミサイル発射実験を強行する」と述べ、事実、日本海に向けてミサイル発射を行っている。 
 わたしが日本の新聞社のソウル特派員だった時、実際に米韓合同軍事演習を取材し、上陸作戦を見たことがある。当時は、「チームスピリット」と呼ばれていた。この軍事演習は、朴正熙政権時代の1976年から始まった。冷戦時代、南北朝鮮の対立も厳しい時期で、北朝鮮の軍事力の脅威に米韓が合同して対処する、との意味合いだった。
 「チームスピリット」は、1994年の米朝枠組み合意で中止されたが、その後は、在韓米軍基地防衛のための演習の規模を拡大しながら、21世紀になって朝鮮半島有事に備えた総合演習の性格を強め、いまの合同演習となったのである。

 複数の国による合同演習・訓練といえば、東南アジアでは、「コブラ・ゴールド」が有名だ。米軍とタイ軍の主催で1982年から毎年行われ、日本の自衛隊も参加している。今年1、2月には、タイ中部の海軍基地で行われた。日本、韓国、インドネシア、マレーシア、シンガポールなど計28カ国が参加し、中国はオブザーバー参加だった。災害援助や人命救助など人道支援活動に関する訓練を行った。
 米韓合同軍事演習と「コブラ・ゴールド」は性格が違うが、他国と組んで演習するのは、それぞれの国にメリットがあるはずだ。「チームスピリット」を取材した際、軍関係者に聞いたことがある。「実際に軍事衝突・戦争が起きれば、見ず知らずの外国の海域に入り込み、上陸することもある。その意味で合同演習は、国内の訓練・演習にはない緊張感と不安を持ちながらの作戦展開になる。合同演習は、未知の外国の海岸へ上陸できる絶好の機会で、その経験を持つことの軍事的メリットは大きい」。
 これが軍関係者の「深層心理」だろう。













                                         







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