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中国とフィリピン           (2016年4月4日)



ウッディ島(永興島)
 米国メディアの報道などによると、中国は、南シナ海の西沙諸島に地対空ミサイルを配備し、米国防当局者、台湾もそれを確認したという。米国は中国に対し南シナ海での軍事拠点化の動きをけん制してきたが、中国は聞く耳を持たないようだ。ミサイルを配備したのは、中国が実効支配する
永興(英語名ウッディー)島である。ミサイルの射程は約200キロで、飛行する航空機の脅威になる、との指摘もある。
 この島はベトナムも領有権を主張している。そのベトナムとともに南シナ海での中国の動きに猛反発しているのがフィリピンである。
 フィリピンは、今春、米国との間で、南沙諸島に近いパラワン島の空軍基地など5カ所を米軍の拠点として使用することで合意した。 
 米軍の再駐留を認めた2014年の米比防衛協力協定に基づいた措置だ。フィリピンは、南シナ海の領有権争いでオランダ・ハーグの仲裁裁判所に仲裁手続きを提起し、中国に対して裁判所の決定に従うよう求めている。

 このように対立する中国とフィリピンだが、最近、両国の対比に関して意表を突くような分析に出くわした。『「中国共産党」論 習近平の野望と民主化のシナリオ』(NHK出版新書)だ。
 著者の中国専門家、天児慧・早稲田大学大学院教授は、中国の友人が「中国はやがて滅んでしまうのではないか」と指摘したことを取り上げ、「滅びる、というのはどんな状況を考えているのか」と質問する。その友人の回答がなんと「(中国の)フィリピン化ということだ」と答えたという。
 天児氏は「フィリピンに対して失礼かもしれないが」と前置きしながら、友人が言いたかったのは「ごく一部の大富豪だけが富と権力を集中させ、驚くほどの腐敗や犯罪が蔓延(はびこ)り、大多数の弱者に対する社会的な救済や保護、社会福祉などが軽視されること。つまり、一部の人々の富と権力を膨らませるためだけに国家が機能し……」。

 中比両国にとっては、辛辣な分析だが、その社会構造を切り取った面があることも否定できない。ただフィリピンは、選挙など民主的な手段で指導者を選んできた国で、民意を問いながら「大富豪だけが富と権力を集中する体制」からの脱皮を模索続けているのも事実だ。
 フィリピンでは、5月に大統領選挙が行われる予定だ。争点は失業など「貧富の差」に焦点を当てた経済問題だ。いつものごとく、選出される政治リーダーらが、「富豪」という自身にまつわる既得権を犠牲にして弱者に光を当てた政策を遂行するのかにも注目が集まる。それと同時に中国による南シナ海の軍事拠点化にどう対応するのかも大きな争点になる。













                                         







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