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韓国総選挙と若者           (2016年4月18日)



投票する朴槿恵大統領
 韓国の総選挙(300議席)は、与党が過半数を割り込み、第1党からも転落した。
選挙後、無所属議員を入党させ、第1党への復帰を図っているが、与党の惨敗で
あることには変わりはない。
 浮動票が多く122議席と選挙区議席の半分近くを占めるソウル首都圏で35議席しか獲得できなかったのが与党の敗因だが、もう一つの惨敗のキーポイントは、「若者の蜂起」にある。

 朴槿恵政権が進める歴史教科書の国定化などの政策は「軍事政権の1970年代に逆戻りしている」と、若年層を中心に反発を呼んだ。
 一方で韓国経済の失速により、15〜29歳の失業率は12.5%と過去最高を記録。こうした不満が野党票を押し上げたとみられている。
 投票率は暫定集計によると、58%で前回より3.8ポイント高く、ソウルは59.8%と全国平均を上回った。中央選管が直前に実施した世論調査によると、19〜29歳の層で「必ず投票に行く」と答えたのは、前回総選挙では35.9%だったが、今回は55.3%と20ポイント近く増えた。韓国のテレビ各社の出口調査からも20代、30代の投票率は、前回に比べ5〜10ポイント上がったとみられる。

 少子高齢化を反映して韓国も60代以上の人口の割合が増加しているが、そうした要因以上に今回の若者の投票率アップが選挙結果に影響を与えた可能性が高い。若者が覚醒し、政治に厳しい目を向けた、ということだろう。「シルバー民主主義」という言い方がある。少子高齢化により有権者に占める高齢者の割合が増し、シルバー世代の政治への影響力が増大する現象である。
 政治家は、多数派の高齢者層に的を絞った政策を優先的に打ち出す。若者の主張・意見が取り込まれにくくなる。若者は投票にもなかなか行かない。その結果、年金、介護など高齢者向けの支出が増えるが、教育や子育てなどの分野には予算振り分けが縮小する傾向に拍車をかける。日本がその典型だろう。

 全体の投票率が52.66%だった前回の日本の総選挙の年代別投票率をみると、20歳代が32.58%、30歳代が42.09%。これに対し50歳台が60.07%、60歳台が68.28%である。これでは、勝負にならない。
 公職選挙法の改正により、選挙権年齢が「満18歳以上」になり、今夏の参議院選挙から導入される。若年層に不満がたまっている状況は、日本も韓国と変わりはない。韓国のように若者の一票が政治を動かすことができるのか。













                                         







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