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ベトナムの実力者           (2016年5月3日)




ベトナム社会主義共和国
チャン・ダイ・クアン 第6代国家主席
 ベトナムの新指導部が決まった。チュオン・タン・サン国家主席の後任には、チャン・ダイ・クアン公安相、新首相には、グエン・スアン・フック副首相が就任した。グエン・フー・チョン共産党書記長は留任である。 また、女性のグエン・ティ・キム・ガン国会副議長を国会議長に選出している。
 この人事・指導体制をどうみるか。ベトナムは党書記長、国家主席、首相、国会議長を中心とする集団指導体制をとっており、基本的には、新布陣でも外交など主要政策が大きく変わる可能性は低いだろう。

 しかし、環太平洋経済連携協定(TPP)参加を決めるなど抜群のリーダーシップを持ち、改革を進めてきたグエン・タン・ズン氏が首相の座から降りたことの意味は大きい。このズン氏は「南ベトナム解放民族戦線」の出身で、経済にも強く国家銀行総裁などを歴任し、南シナ海の領有権問題では、中国に対し譲らぬ姿勢を示し、国民から熱っぽい支持を受けてきた人物である。
 ベトナムでは、最高指導部の分業体制が早い時期に確立していた。個人独裁を徹底的に排除し、その姿勢が国の安定を支える基盤となってきた。建国の父、ホー・チ・ミン主席も内政実務は首相を中心とする政府に任せていた。主席と第一書記(現在の書記長)に別の人物が就くという集団指導体制ができていたのだ。
 だが、全方位外交を旗印にするベトナムが「開かれた国」になるにつれ、不都合な面も起きてきた。現在、国家主席が憲法上の国家元首で、対内、対外的な国家の代表者と位置付けられるが、ベトナム共産党内での序列は、党トップの書記長に次ぐ事実上のナンバー2だ。国内ナンバー1の書記長が他国を公式訪問しても国家元首(大統領や国家主席)の称号がないため、儀礼的に冷遇されるという事態が起きる。党と国家のトップが分かれ、他国からは、だれが国を代表するか見えにくいのだ。そこで、一人への権力集中を避けてきたベトナムでも党と国家のトップの兼任案が浮上することになる。中国のような体制を思い浮かべればよい。
 
 実はズン氏が首相に再任されれば、同氏が、書記長・主席・国会議長よりも抜き出た「1強3弱」の体制が完成され、その肩書きはともかく名実ともに国を代表する存在になる、との指摘がなされていた。結局、ベトナムの今後の国家運営は書記長、主席、首相、国会議長の4人が中心になった集団指導体制に回帰するとみられている。この4人の実力、パワー関係は拮抗している。












                                         







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