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板門店             (2017年10月21日)



ポプラ事件(1976年8月18日)
 米国のトランプ大統領は、11月初旬にアジアを歴訪する予定だ。日・中・韓訪問やベトナムでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議、マニラでの東南アジア諸国連合(ASEAN)創設50周年の記念行事に参加、というスケジュールである。
 その中で、訪韓の際に板門店(パンムンジョン)の南北軍事境界線・非武装地帯(DMZ)を視察するかどうかについては、最後まで慎重な姿勢のようだった。北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐり、米朝の非難の応酬がエスカレートし緊張が高まり、「最前線」での大統領の安全は保たれるのか、との危惧があったからだろう。
 板門店は1953年、朝鮮戦争の休戦協定が調印された場所で、軍事境界線をはさみ南北各2kmにわたって設けられている非武装地帯にある。米政権は「北朝鮮けん制」を今回のアジア歴訪の主要目的に位置づけ、DMZ視察も重視、先遣隊を現地に派遣するなど事前調査をしていたが、10月16日公表した歴訪日程にDMZ視察は含まれていなかったのだ。
 
 板門店での米朝衝突といえば、ポプラ事件を思い出す。1976年8月、非武装地帯内の共同警備区域内に植えられていたポプラ並木の一本を剪定(せんてい)しようとした韓国軍兵士・米軍兵士らに対して北朝鮮兵士が攻撃し、2人の米兵が殺害された事件である。
 ポプラの並木は、北朝鮮側によって共同警備区域内の「帰らざる橋」の近くに植えられていたもので、共同警備区域に置かれた監視所などの視界をさえぎるほどに成長していた。このため、剪定を行うことを通告していたが、北朝鮮軍は「ポプラは、金日成主席(当時)が手ずから植えて育てたもので剪定を認めない」との姿勢だった。
 自国兵士が死亡した米軍は事件を重く受け、ポプラの木を伐採することを主張、伐採が決行された。その時、上空には、韓米両軍の攻撃ヘリコプターが飛び、さらには、米空軍の戦闘機、B-52爆撃機が飛行した。朝鮮半島の沖合には米海軍の空母を始めとする機動部隊も展開したという。
 40年前のポプラ事件は第2次朝鮮戦争の引き金になりかねない出来事だったのだ。結局、北朝鮮側の「遺憾」の表明などがあり、朝鮮半島は、「小康状態」に戻った。

 いま、また朝鮮半島情勢は緊迫度を増している。今回の米韓首脳会談では、北朝鮮問題が最重要テーマだ。韓国の文在寅大統領は、ポプラ事件の収拾に韓国特殊戦司令部側として関与したという。その経験を活かしながら米朝の本格衝突を回避させる道を模索してほしいものだ。












                                         









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