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スリン元外相(タイ)        (2017年12月10日)



「ドクトル・マハティールの知恵袋」
(学校法人城西大学 2016年出版)
 92歳になったマレーシアのマハティール元首相。その長老政治家が野党連合の
首相候補として、来夏までに行われる連邦議会下院の総選挙に立候補する見通しという。
 マハティール氏は、22年にわたって首相を務め、東南アジア諸国連合(ASEAN)の「顔」として域内でもリーダーシップを発揮してきた。高齢での再登板への意向には、深い意味があるのだろう。

 マハティール氏はマレーシア第4代首相。開業医から政治家に転じ、1981年から2003年までマレーシアでは最長の首相を務めた。アジアを代表する知日派のリーダーで、日本の経済成長を見習おうという「ルックイースト(東方)政策」を唱え、国力を飛躍的に増大させたのはご存知の通りだ。
  インドネシアのスハルト氏、シンガポールのリー・クアンユー氏とともにASEANを代表するカリスマ性のある指導者だった。
 そうした輝かしい業績の一方で、後継者選びにおいては、誤算があった。マハティール氏は後継者にアブドラ氏を指名した。 しかし、次第に不満を強め、下院選挙で、与党連合が大幅に議席を減らすと、マハティール氏は、アブドラ首相に辞任を迫り、結局、アブドラ氏は首相の座を去り、ナジブ・ラザク氏が第6代首相に就任するわけである。
 ナジブ首相は、第2代首相アブドゥル・ラザク氏の長男で、1976年、父の死去に伴う補選で、史上最年少の22歳で下院議員となった。マハティール氏は、この毛並みが良いナジブ氏の支持に回ったのだった。
 しかし、ここでも政治路線をめぐり亀裂が入った。2009年にナジブ首相が主導して創設された政府系投資会社をめぐり疑惑が浮上。巨額の負債と不正経理や汚職の疑惑も指摘されたのだ。マハティール氏は激しい批判を浴びせ、2015年4月には首相の辞任を公然と要求する。同氏は、与党の統一マレー国民組織(UMNO)から離党した上、野党勢力と協力し、ナジブ政権の倒閣に向けた行動に出たのだ。

 昨秋に出版された「ドクトル・マハティールの知恵袋」(学校法人城西大学出版)。首相在任中の演説などから重要部分をまとめた本だ。その中で「国家のリーダーは、超人的な能力を求められる。超人的であるだけで、超人ではない。だからただ生き残ることだけに心を向けるよりも、うまく政策を遂行することが大事である」。「超人的な能力」において後継者らは失格、自分しかいない、ということだろう。
 まして汚職疑惑などは論外なのだ。












                                         









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