本文へスキップ

アジア・ウオッチ・ネットワークはアジアに幅広取材アンテナを張ります。

アジア・ウオッチ・ネットワークAsiaWatchNetwork


メニュー亜細亜 飛耳長目

ハルシュタイン原則          (2017年1月30日)



ヴァルター・ハルシュタイン 初代欧州委員会委員長
 中国が、台湾に対する外交攻勢を一段と強めている。西アフリカのブルキナファソに対し500億米ドルを供与する代わりに、台湾との断交、中国との国交回復を持ちかけていた、と米国のメディアが伝えたのだ。中国は、これまでも台湾の孤立を狙って圧力をかけてきたが、このような露骨な「札束外交」が明らかになるのは異例なことだろう。

 台湾の民進党の蔡英文政権は、中国・台湾を不可分の領土とみなす、いわゆる「一つの中国」の原則をはっきりと受け入れていない。中国は、これまでも外交圧力をかけており、台湾と外交関係があるのは現在21カ国で、このうちアフリカではブルキナファソとスワジランドの2カ国しかないのが実情である。
 第二次大戦後の冷戦・対立などで、国土が二分された国、例えばドイツでは、西独と東独が中台と同様に国交樹立競争を繰り広げてきた。西独は「ドイツの正統性を持つ国家である」と自ら位置づけ、「ソ連(当時)以外で東独を国家承認した国とは、国交を断絶」とし、東独を外交的に孤立させようとした。「ハルシュタイン原則」と呼ばれるものである。
 1955年、アデナウアー首相(当時)が表明した。欧州経済共同体委員長もつとめた政治家、ハルシュタイン氏の名前にちなんでつけられた。しかし、「デタント(緊張緩和)」の潮流が強まったこともあって「ハルシュタイン原則」は、事実上、破棄され、1969年に首相に就任したブラント氏は、二つのドイツの存在を認める発言を行う。その後、東西ドイツは、外交路線による統一を目指していくことになる。

 分断国家となった南北朝鮮でも、当初、「ハルシュタイン原則」が貫かれた形になった。韓国は、北朝鮮と外交関係を持つ国とは国交を結ばないとしていた。
 その後の南北和解のムードの中で、この原則は意味がなくなり、南北朝鮮は、1991年、国連に同時に加盟する。以来、南北朝鮮の双方とも国交樹立する国は増え、国連加盟国の192カ国のうち、韓国は188カ国、北朝鮮は166カ国と国交を持っている。
 北朝鮮と正式国交がない主要国は、米国・日本・フランスぐらいとなった。一方を承認した国家に対して他方が国交を断絶する――それが中国と台湾では、いまも続けられているわけだ。












                                         







Photo


ビデオ











Asia Watch Network

Bangkok, Thailand